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ほぼ1万円「完全ワイヤレス」の新参者、音質も機能も優れた「TEVI」を聴く

2020年03月09日 15時30分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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全体的な音のレベルは高く、有線接続に匹敵するサウンド

 TEVIの最大の特徴はこの価格帯にしてはかなり音質が高い点だと言えるだろう。特にほかのイヤフォンに比べて、音の広がりの良さと空間の奥行きの深さ、滑らかでスムーズな音の再現が際立って良いと感じる。

 高域はベルの音が澄んだ響きを感じさせ、きつくならない程度にシャープだ。低域の量感は十分にあるが、不必要に強調されないため、上質な音作りだと感じる。また、音の歯切れが良いので、低音ではドラムのインパクト感が心地よい。偏りなくバランスのよい音作りがなされているので、幅広い音楽ジャンルに合うと思う。音質傾向がスムーズで広が りのある音なので、スピーカーで普段聞いているリスナーにも良いだろう。

 音調の変化は、多少であれば、イヤーチップの交換によっても楽しめる。こうした装着感と、トーンバランスの良いイヤホンでは、普段よりもイヤーチップをワンサイズ小さくすることで、より低域の影響を抑えてボーカルを明瞭に聴くことができる。逆にロックなどで低音が欲しいときは、イヤーチップをサイズアップするとより充実したサウンドになるだろう。また、スポンジを使った、フォームチップに変えることでも、音の変化を楽しめる。付属するのが完全ワイヤレスに向いたショートタイプのフォームチップなのもよい。

 全体的な音のレベルは高く、通常の有線1万前後のイヤホンと比べても、遜色ないかむしろ優れていると感じた。完全ワイヤレス型であると考えれば、コストパフォーマンスはかなり高いと言えるだろう。

 一般的に、ワイヤレスイヤホンでは、Bluetooth伝送時に音質が劣化すると言われるが、その一方で、固有の電気回路(内蔵するDAC部、アンプ部、そして信号処理)の設計次第で、うまく音を演出できる面もある。特にDSP(デジタル・シグナル・プロセッサー)を使った信号処理による音のチューニング幅は大きい。

 そのため、似たようなドライバーを採用した完全ワイヤレスイヤホンと言っても、音質や音調には幅が出るし、このTEVIはそのチューニングに成功していると思う。もちろん採用されたグラフェンドライバーの性能も高いと思うが、「TEVI」ではそれを十二分に引き出すことで低価格で高い音を実現していると言えそうだ。

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