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コンビニ店員確保が新型コロナ休校で窮地、対応しない本部にオーナー怒る

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子どもがいるパートや高校生のアルバイト従業員を雇っている加盟店は、休校によって人手不足がさらに深刻化するケースが発生している Photo:123RF

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う3月1日から始まった学校の休校が、人手不足が深刻なコンビニエンスストア加盟店の経営を圧迫しつつある。小さな子どもがいるパート従業員や高校生のアルバイト従業員が出勤できなくなったからだ。「緊急事態宣言」が出された北海道のセブン-イレブンのあるオーナーは、本部の支援が不十分だと憤る。(ダイヤモンド編集部記者 岡田 悟)

幼児がいるオーナー妻とパート女性
高校生もアルバイト禁止で苦境に

「繁華街でも人出はガラガラ。そんな中、深夜はコンビニの灯りだけが煌々(こうこう)とついている状態だ」――。

 こう語るのは、北海道のあるセブン-イレブンの加盟店オーナー。客数は1日600人程度だったが、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、100人程度落ち込んだ。売り上げもその分、下がっているという。

 新型コロナウイルスによる肺炎が広がり、3月4日時点で80人を超える感染者が出た北海道。鈴木直道知事は2月28日に緊急事態宣言を出し、3月19日までの3週間、特に週末の外出を控えるよう道民に呼びかけた。

 人々が出歩かなくなったことで、店舗での消費が落ち込みを見せ始めた。客数の減少は小売業にとって痛手だが、前出のオーナーがさらに深刻だと訴えるのが、従業員の確保である。

 このオーナーの店舗では、十数人の従業員とオーナー夫妻でシフトを回している。そして妻とパート従業員の女性には、幼稚園に通う子どもがいるという。ところが3月1日以降、政府の要請で学校が休校になったのに合わせ、幼稚園も休園になった。このため子どもの世話が必要になり、2人がシフトに入れなくなったのだ。

 加えて2人の高校生のアルバイト従業員も、戦力として計算できなくなった。休校中のアルバイトは原則禁止とされ、シフトに入れないのだ。そのため、オーナー自身が店頭に立つ時間を増やすなどしてなんとか営業を続けている。専門学校生の従業員1人も、学校からはアルバイトを自粛するよう言われているが、本人の判断で働いているという状況だ。

オーナーヘルプ制度は使用不可
手洗いと消毒しかアドバイスしない本部

 セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)本部は、加盟店の人手不足対策として、オーナー自身が休暇を取るための「オーナーヘルプ制度」を昨年から拡充していると訴える。しかし、オーナーがOFCと呼ばれる本部の店舗指導員にこの制度の利用について尋ねたところ、冠婚葬祭などでオーナーが休むための仕組みであり、今の状況でこの制度は使えないと告げられたという。いざとなれば、OFCが自らシフトに入って対応すると応じられたが、まだOFCにシフトに入るよう頼んではいない。

「本部から言われるのは、消毒や手洗いの徹底だけ。新型肺炎や、政府や行政の対策による人手不足についてはなんら支援が示されない」とオーナーは憤る。従業員不足に関する本部側からの聞き取り調査もない。担当OFCからも人手不足に関する助言はなく、オーナーから苦境を訴えると、「シフトは空いてますか? どんな感じですか?」と聞いてくる程度だったという。

 休校で従業員を十分に確保できない状況は、他の店舗でも発生している可能性が高い。このオーナーの場合は深夜勤務の従業員を確保しているが、深夜の従業員を日中のシフトに振り向けて対応しようとすれば、逆に深夜の営業が難しくなるだろう。本部は表向き、時短営業をするかどうかは加盟店の判断としているが、実際には現場の本部社員がさまざまな理由をつけて時短営業をさせないという事態が生じている。未知の感染症の拡大という非常事態にあって、柔軟な営業時間が認められる保証はない。

 昨年、負担に耐えかねた加盟店の“反乱”で明るみに出たコンビニ業界の構図。政府の要請もあってSEJを始めとしたコンビニ各社本部は改善に取り組む姿勢を強調している。新型コロナウイルスという危機的な状況に直面した今、加盟店支援の本気度が改めて問われている。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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