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食べログ「高評価はカネ次第」疑惑勃発、騒動の原因はどこに?

2020年02月18日 06時00分更新

文● 沼澤典史(ダイヤモンド・オンライン

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「食べログから、年会費を払えば店の評価を上げるという営業電話がかかってきた」――。そんな投稿が昨年10月5日ごろからTwitterで注目を集め、グルメ情報サイト「食べログ」に批判が集まっている。以前からの「やらせレビュー疑惑」などもあり、なにかと信用度に疑問符が付きがちな食べログについてITジャーナリストの三上洋氏に聞いた。(清談社 沼澤典史)

評価基準が
まったくわからない

口コミによる評価に不正や疑惑はつきものである Photo:PIXTA

 不特定多数の「素人」が飲食店の評価付けをするサイトとして知られる食べログ。これまでも、やらせレビューや検索結果の操作疑惑などを引き起こしてきたが、またもや騒動が発生した。

 きっかけは昨年10月、飲食店がTwitterに投稿した「食べログの評価3.8以上は年会費を払わなければ3.6に下げられる」という疑惑。この投稿を発端に、複数の飲食店からも「同様のことがあった」と声が上がりはじめたのだ。

 食べログを運営するカカクコムは「『食べログ』に関する一部報道について」という声明文を発表。「食べログとの何らかのお取引によって、お店の点数やランキングが変動するということは一切ない」と、疑惑を否定したが、ユーザーの不信感は拭えないまま。三上氏も「正確な調査をすべきだ」と話す。

「これだけ不正が疑われているならば、しっかりと食べログ側が事態を調査して、その内容も公開すべきです。あまりにも評価基準がブラックボックスなので、ユーザーや飲食店の信頼はなくなる一方です」

 では、なぜ今回のような評価の操作疑惑が起こってしまったのか。

セールストークと
アルゴリズムの仕様変更が重なった?

 三上氏は「結論を先に言えば、食べログ自身が操作している可能性は極めて低いと思う」と前置きしたうえで、騒動の原因についてこう推測する。

「考えられる可能性は2つ。まずは、正規の代理店がセールストークで言ったパターンです。契約を取るために、食べログ本部に黙って、『点数を上げるためには有料会員にならないとだめですよ』と、セールストークをした可能性があります。ただ、これは代理店と直接契約している食べログの責任も発生するので、双方にリスクが高く、可能性は低いと思います」

 食べログは40社ほどの代理店を抱えており、彼らの契約件数は有料店舗の7割を占めている。

 もうひとつの可能性は、やらせレビュワーを派遣する代理店が関係しているパターンだ。

「彼らはレビュワーを抱えていて、お店から依頼料をもらい、実績のあるレビュワーを派遣する。その後、いいレビューを投稿し、店の評価を上げようとするのです。複数の飲食店関係者からこのようなレビュワー派遣は実際にあると聞いています。彼らが営業のトークで似たようなことを言ったのかもしれません」

 食べログの点数評価は、単純にレビューの平均点ではなく、ユーザーのレビュー実績などさまざまなものに重み付けがされている。そのアルゴリズムによって点数がはじき出されるわけだ。また、そのアルゴリズムも頻繁に仕様が変わり、それによって点数も随時変化する。

 三上氏は、今回の騒動は「セールストークとアルゴリズムの変更による点数変化がバッティングした可能性がある。セールストークとアルゴリズム変更による点数変化が連動したように見えてしまったのかもしれない」と推測した。

口コミによる評価は
限界を迎えている

 ただし、今回は1軒だけではなく複数の飲食店が同様の告発をしており、偶然が重なりすぎている面もある。「運営側がしっかりと調査すべきだ」と三上氏が話すように、オープンな調査結果が求められるだろう。

 今回の騒動について記者は食べログを運営するカカクコムへ、メールで質問を送った。以下、回答を要約する。

――今回の騒動について調査や対策は行っているのでしょうか。

「飲食店向け有料サービスを含む食べログとの何らかのお取引によって、お店の点数やランキングが変動するということは一切ございません。 弊社の営業関係者には、飲食店向け有料サービスと点数・ランキングが関係あるかのように誤解を与えるような営業行為は固く禁じております。また、弊社の営業代理店に関しても、同様の営業ルールを記載した契約書を締結した上で、営業活動を行っていただいております。食べログのサイト、営業のパンフレットなどに営業に関する問い合わせ先を明示しており、飲食店からのご相談をお受けする体制を整えております」

――評価方法の説明は飲食店に行っているんですか?

「食べログでは、各ユーザーの影響度によって重み付けされた評価をベースとして、お店ごとの点数を算出しています。各ユーザーの影響度は、食べログでの各種実績等から算出しています。点数の算出方法については、不正な点数操作を排除する必要があることから、詳細は非公開とさせていただいております」

 以上がカカクコムからの回答である。食べログでは操作は一切しておらず、過剰なセールストークも禁止しているようだが、ではなぜ複数の飲食店から声が上がっているのだろうか。これだけでは疑惑は晴れないだろう。最後に三上氏は口コミの限界を指摘する。

「口コミによって評価付けを行う限り、不正や疑惑はなくならないでしょう。Amazonレビューや映画レビューでも同様の事態が起きており、今や口コミの信頼度は失墜しています。今後は、信頼できる身近な人や有名人の評価を気にするという、かつてのスタイルに人々は回帰していくんじゃないでしょうか」

 食べログに限らず、これからも口コミや評価に関する同様の騒動は後を絶たないだろう。われわれは口コミ評価ビジネスを転換するフェーズに入っているのかもしれない。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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