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ゲームのみならCore i、動画編集込みならRyzenに軍配!

Core i9-9900KS/Ryzen 9 3950X搭載ゲーミングPCの性能をチェック、ゲームやクリエイティブなど用途ごとのパフォーマンスに注目

2020年02月06日 15時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

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Core i9-9900KSを搭載する「ZEFT C9KSR4」、Ryzen 9 3950Xを搭載する「ZEFT R395R6」

 パソコンショップSEVENを運営するセブンアールジャパンは、CPUに「Core i9-9900KS」(以下、i9-9900KS)を搭載したゲーミング向けPC「ZEFT C9KSR4」を販売中。その対抗モデルとして、同社は「Ryzen 9 3950X」を採用する「ZEFT R395R6」もラインアップしている(関連記事)。それぞれのパフォーマンスがどの程度のなのか気になるところだが、本稿ではテストにより、両者のポテンシャルを確かめてみたい。

ゲームパフォーマンスではZEFT C9KSR4に軍配
コア数が効く場面ではZEFT R395R6が優位

 早速、「3DMark」(Version 2.11.6866)の結果からみていこう。まず、DirectX 11のテストであるFire Strikeでは、ZEFT R395R6がZEFT C9KSR4に最大で5%の差を付けた。DirectX 12のテストとなるTime Spyでも、ZEFT R395R6がZEFT C9KSR4に6%ほどの溝を開けており、総じて優位に立っている。これは、3DMarkがマルチスレッド処理の最適化が進んでおり、ZEFT R395R6のRyzen 9 3950Xが16コア/32スレッドのアドバンテージを発揮していることが要因として挙げられる。

「3DMark」(Version 2.11.6866)の結果

 続いて「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズベンチマーク」では、打って変わってZEFT C9KSR4が逆転を果たしている。その差は最大で8%と小さくないものの、両者ともに3840×2160ドットでスクウェア・エニックスに指標で最高評価となるスコア7000を超えており、どちらのマシンでも快適にプレイできるのは間違いなさそうだ。

「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズベンチマーク」の結果

 なお、ZEFT C9KSR4が良好な結果を残したのは、CPUのi9-9900KSのほうがRyzen 9 3950Xより1コアあたりの性能が高いことに加えて、同ベンチマークがIntel製CPUへの最適化が進んでいるためと捉えるのが妥当だろう。

 ただ、「Apex Legends」では、その1コアあたりの性能差が如実に表れる形となった。ここでは、オプションから描画負荷が最大になるように設定したうえでゲームをプレイ。そして、プレイ中の1分間の平均フレームレートと最小フレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で計測した。その結果だが、3840×2160ドットこそ両者でさほど差はないものの、それ以外の解像度ではZEFT C9KSR4がZEFT R395R6に大きな差を見せつけた。ZEFT R395R6は、2560×1440ドットの以下の解像度でCPUのボトルネックによりスコアが頭打ちとなっており、Apex Legendsにおいてはi9-9900KSを擁するZEFT C9KSR4に軍配があがった。

 ゲーム以外のパフォーマンスもチェックしておきたい。「PCMark 10」(Version 2.1.2153)では、総合スコアでZEFT R395R6がZEFT C9KSR4に総合スコアで9%の差を付けた。そこで、スコアの詳細を見てみると、基本性能を示すEssentialsこそ両者でスコアが揃っているものの、ビジネスアプリケーション性能を測るProductivityと、コンテンツ制作における性能を測るDigital Content CreationでZEFT R395Rのほうが高いスコアを発揮している。つまり、オフィス用途やフォトレタッチ、動画編集などでは、ZEFT R395R6のほうがCPUコア数が多いためパフォーマンスが秀でているようだ。

ZEFT C9KSR4の「PCMark 10」の結果

ZEFT R395R6の「PCMark 10」の結果

 さらに、「ffmpeg」(Version 4.2.2)を用いて、H.264/AVC形式とH.265/HEVC形式それぞれへとトランスコードする際に要する時間も確かめておきたい。今回は、ソースとしてファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズをプレイした7分半のMotionJPEG形式の動画ファイルを用意。すると、ZEFT R395R6はZEFT C9KSR4の6割から7割程度の時間でトランスコードを終了しており、ここでもコア数とスレッド数で勝るRyzen 9 3950Xが、その真価を如何なく発揮している。

 最後に「OBS Studio」(Version 24.0.3 以下、OBS)を用いてTwitchで配信している際のApex Legendsのフレームレートを取得してみたい。つまり、ゲーム実況と呼ばれる用途でのパフォーマンスをチェックしようというわけである。すると、ZEFT C9KSR4では10fps弱フレームレートが低下しているのに対して、ZEFT C9KSR4ではあまり大きな変化は見られない。つまり、ZEFT R395R6ではCPUコア数が多いため、配信という処理を同時に行ってもゲームに与える影響は小さいといえる。

ZEFT C9KSR4は純然たるゲーム向け
ZEFT R395R6は動画処理などに最適

超快適ゲームプレイならZEFT C9KSR4、実況や動画編集もこなすならZEFT R395R6

 以上のテスト結果から明らかなように、純然たるゲームパフォーマンスは、やはりZEFT C9KSR4のほうが高い。ただ、動画ファイルのトランスコードやゲーム実況など、CPUのコア数が効いてくる場面では、打って変わってZEFT R395R6が優位に立つ場面が多い。つまり、ZEFT C9KSR4とZEFT R395R6とでは同じハイエンド向けゲーミングモデルではあるものの、ユーザーが重視する用途により、どちらのモデルを選択すればよいのか見えてくるのではないだろうか。

 ZEFT C9KSR4の価格は29万6780円、ZEFT R395R6は31万8780円と30万円前後ではあるものの、これだけ高いパフォーマンスを発揮するのであれば、両者とも十分お買い得なパソコンといえる。

試用機の主なスペック
機種名 ZEFT C9KSR4 ZEFT R395R6
CPU Core i9-9900KS(定格クロック4.0GHz、最大クロック5.0Hz、8コア/16スレッド、キャッシュ容量16MB) Ryzen 9 3950X(定格クロック3.5GHz、最大クロック4.7Hz、16コア/C32スレッド、キャッシュ容量64MB)
CPUクーラー SilverStone PF240-ARGB-7R
マザーボード ASRock Z390 Phantom Gaming 7(Intel Z390) ASRock X570 Phantom Gaming 4(AMD X570)
グラフィックス GeForce RTX 2080 SUPER 8GB GDDR6(2スロット使用)
メモリー 32GB PC4-21300(DDR4 SDRAM、16GB×2)、スロット数4のうち2スロット使用 32GB PC4-25600(DDR4 SDRAM、16GB×2)、スロット数4のうち2スロット使用
ストレージ 500GB SSD(Crucial「P1 CT500P1SSD8JP」、NVMe)、4TB HDD(Serial ATA 6Gbps)
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 801.11ax、ASRock AX200)
電源 SilverStone ET750-G(定格出力750W、80Plus GOLD認証)
ケース NZXT H710 MattBlack NZXT H710 White
OS Windows 10 Home(64bit)

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