このページの本文へ

顧客エンタープライズのクラウド移行と“データドリブンなDXジャーニー”支援に注力

「Oracle Cloud」大阪リージョン開設、IaaS/PaaS/SaaSをフル提供

2020年02月04日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 日本オラクルは2020年2月3日、Oracle Cloud 大阪リージョンの開設と一般提供開始を発表した。記者発表会にはCEOのケネス・ヨハンセン氏らが出席し、国内で東京/大阪の“デュアルリージョン体制が整ったことで、エンタープライズ顧客を中心にミッションクリティカルワークロードのクラウド移行をさらに強く促していく戦略を語った。また、大阪リージョンを採用した複数社のコメントも発表されている。

Orfacle Cloudが大阪リージョンの一般提供を開始。東京リージョンに続く国内2拠点目となる

日本オラクル 執行役 CEOのケネス・ヨハンセン氏

日本オラクル 執行役員 クラウド事業戦略統括の竹爪慎治氏

 オラクルでは昨年(2019年)5月にOracle Cloud東京リージョンを開設した。大阪リージョンはそれに続く国内2拠点目で、“Oracle Gen 2 Cloud(第2世代クラウド)”インフラをベースとして、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」から「Oracle Autonomous Database」「Oracle Cloud Applications」まで、Oracle Cloudの全サービス(IaaS/PaaS/SaaS)を提供する。

 ヨハンセン氏は、日本国内で東京/大阪の2リージョンを提供開始したことで、「エンタープライズ顧客がミッションクリティカルなワークロードを、日本のデータ保管法制/規制に準拠した形で(データを国外に出すことなく)Oracle Cloudに展開できるようになった」と説明した。

 また竹爪氏も、大阪リージョン開設に伴って想定する新しい顧客やユースケースとして、まずは「オラクルのミッションクリティカルなプラットフォームを、オンプレミスで運用している顧客」を挙げた。DR(ディザスタリカバリ)構成やバックアップ構成のために、Oracle Cloudのマルチリージョン化を求める顧客の声は「非常に強かった」(竹爪氏)という。

 そのほか、クラウドに対して厳しいコンプライアンス要件を持つ公共/公益(社会インフラなど)業界や金融業界の顧客、東京リージョンに対してレイテンシ(通信遅延)の問題を抱えていた顧客についても、大阪リージョンを通じてサービス提供の幅を広げていけるとの期待を述べた。

Oracle Cloud大阪リージョンの開設に伴って想定されるユースケース

 なお今回は、国内企業3社の大阪リージョン採用(予定)も発表されている。家電量販店のエディオンは、東京/大阪リージョンで提供される「Exadata Cloud Service」を採用して、オンプレミス運用してきた「Exadata」からのクラウド移行を図る。ISVのソフトマックスは、同社開発の電子カルテシステムをOCI大阪リージョンに構築し、西日本の中小病院向けサービス基盤として活用を始めた。また健康/スポーツ関連メーカーのファイテンは、大阪リージョンのOracle Database Cloudを利用した基幹システムのクラウド移行を計画している。

今回の発表では3社が大阪リージョンの採用を表明した

レガシーシステムのクラウド移行と「データドリブンDXプラットフォーム」実現

 ヨハンセン氏、竹爪氏とも、競合クラウドに対するOracle Cloudの差別化要素として「テクノロジーと価格」「クラウドセキュリティ」「データプラットフォーム」の3点を挙げている。

 竹爪氏は、エンタープライズ向けに再構築されたGen 2 Cloudインフラがもたらすコストパフォーマンスの高さ、“データ中心のセキュリティ”からメンテナンスの自動/自律化(Autonomous Database、Autonomous Linux)、構造化データからJSON、KVS、グラフデータなどの多様な(マルチモデルの)データにシングルデータベースで対応する戦略、といったOracle Cloudの特徴をあらためて説明した。

 なおOracle Cloud東京リージョンの利用社数について、昨年9月時点では「650社以上」だったが、現時点では「1000社程度」(ヨハンセン氏)になっている。

「データプラットフォーム」については、データモデルごとに複数のデータサービスを展開する他社クラウドと、“シングルデータベース戦略”を取るオラクルとの違いを強調した

 さらに竹爪氏は、多くの顧客企業が「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の実現に取り組み始めているものの、「理想と現実のギャップ(乖離)」が生じており、多くの場合は期待したような成果が得られていないと指摘した。その背景には、DXを通じて開発する「新しいシステム」と、これまで企業ビジネスの基幹を支えてきた「レガシーシステム」の間で、TCOやセキュリティの考え方に大きな違いがあり、データ活用のために両者をつなぐことが難しいという状況がある。

 そうした課題をふまえ、オラクルではDXを目指す多くの顧客に対して、レガシーシステムのクラウド移行とその先の「データドリブンDXプラットフォーム」構築を提案しているという。クラウド移行によって、コストを軽減するだけでなく、データ連携の柔軟化やシステム開発の迅速化を図り、DX実現に近づいていく。そうした“DXジャーニー”のストーリーだ。

 「レガシーシステムのクラウド移行とDXシステムとの連携、これをOracle Cloudの統一的なプラットフォームで実現する。われわれの顧客の8割くらいが、こうした“DXジャーニー”のフローをもってDXに挑んでいる。これを実現するために、Oracle Cloudは(前述した)3つの特徴を備えている」(竹爪氏)

レガシーシステムのクラウド移行は、単にTCO改善だけでなくDXシステムとの柔軟な連携を可能にする“データドリブンDXプラットフォーム”実現を目指すべきだと説明

 こうした“DXジャーニー”を顧客エンタープライズに提案していくうえでは、国内でのマルチリージョン設置が要件となるケースが多く、その意味で今回の大阪リージョン開設は大きな意味を持つようだ。

 またヨハンセン氏も、現在は「顧客に対してクラウド移行をどんどんプッシュしている」と述べた。レガシーシステムも含めたクラウド移行を通じて、顧客の“DXジャーニー”が先の段階へと進むと、Oracle Cloudの幅広いサービススタックがより活用されるようになるため、「顧客とオラクルが“Win-Win”の関係になれる」とヨハンセン氏は期待を述べた。

■関連サイト

カテゴリートップへ

ピックアップ