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新型肺炎で中国の経済活動は3月まで停滞の可能性 WHOは緊急事態を宣言

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Photo:SOPA Images/gettyimages

中国で発生した新型コロナウイルスによる肺炎(新型肺炎)が、2020年の世界経済において大きな下振れリスクとなる可能性が高まってきた。世界保健機関(WHO)は30日、緊急事態を宣言。日本や米国など主要国は中国への渡航制限に乗り出している。中国の政府系シンクタンクは、楽観シナリオでも3月末まで事態が収束しないという見解を示している。(ダイヤモンド編集部副編集長 杉本りうこ)

「緊急事態」を告げるWHO公式サイト

 WHOは、新型肺炎が中国や海外各国で、人から人へ感染しているのか否かなど不明点があることに懸念を示し、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態にある」と宣言した。

 これを受け日本の外務省は31日、湖北省を除く中国全土について、従来のレベル1(渡航に十分注意)からレベル2(不要不急の渡航自粛)に引き上げた。湖北省は引き続き、レベル3(渡航中止勧告)に据え置いている。

 また米国も米疾病対策センター(CDC)が、中国全土に対してレベル3(不要不急の渡航自粛)に指定している。これを受けて米国のエアラインも減便を相次いで打ち出しており、アメリカン航空がロサンゼルスと北京、上海をつなぐ便を2月9日~3月27日の長期に渡り休止すると明らかにしている。

 中国と海外との経済往来は、2月から3月にかけて、大きく停滞することが必至だ。

 また中国国内でも、公式には2月2日までとなっている旧正月休暇が事実上、2月中旬まで長引くもよう。上海市や広東省など主要な地方政府が複数、2月9日以前の法人の事業活動再開を禁じているため。また各地政府の通達は、「2月9日以前に再開してはならない」となっており、いつから再開してもよいという許可のガイドラインは示されていない。このため、実際に事業活動が再開できるのはさらに先となると見込んでいる企業が多い。

 政府系シンクタンク・中国社会科学院のエコノミストが29日に国内経済誌に発表した分析によると、楽観的なシナリオでも新型肺炎の収束期は3月末、悲観シナリオでは20年上半期末と見込まれている。分析は基本的に「楽観シナリオを採用する」としているが、GDP(国内総生産)成長率は20年1~3月期に5%前後(前年同期は6.4%)となる見通しという。

 中国をめぐる経済活動が大きく停滞するのは必至で、日本経済にとっても大きな懸念材料となる。すでにイオンやユニクロ(ファーストリテイリング)などが店舗の営業を停止しているが、この先は製造業のサプライチェーンにも打撃が生じるのはほぼ必至だ。

※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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