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NASAの探索衛星、生命居住可能領域に系外惑星を発見

2020年01月10日 07時54分更新

文● Neel V. Patel

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NASA's Goddard Space Flight Cente

米国航空宇宙局(NASA)の「トランジット系外惑星探索衛星(TESS)」が、つい最近、地球から約100光年離れたところに、地球とほぼ同じ大きさの潜在的に居住可能な新しい系外惑星を発見した。TESSが2018年4月に打ち上げられて以来、生命が存在し得る系外惑星を発見したのは初めてだ。 

その惑星は「TOI 700 d」と呼ばれている。TOI 700 dは、質量が太陽より約40%小さく、温度が太陽の半分程度の赤色矮星を周回している。惑星自体の大きさは地球の約1.2倍で、親星の周囲を37日で一周しており、地球が受け取っている太陽光の86%近くの光量を親星から浴びている。

中でも注目すべきなのは、TOI 700 dが親星のハビタブルゾーン(生命居住可能領域)と考えられる領域内に存在していることだ。つまり、惑星表面が液体の水を保持するのに適切な温度になるような距離だけ惑星が親星から離れている。そこで、TOI 700 dが生命の存在に適しているのではないかという期待が高まる。ただし、 惑星が生命居住可能であることの意味に関して学者間の合意は得られていない

TOI 700 dをモデル化した20種類のシミュレーションは、この惑星が岩石だらけで、水の保持に役立つ大気を持っていることを示している。しかし、惑星が単にガス状のミニ海王星である可能性もある。2021年3月打ち上げ予定の「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(James Webb Space Telescope)」などの解像度の高い機器による追跡観測がなされるまで確実なことはわからない。

TESSは、成果が実証済みの「トランジット現象(惑星が親星の前を通過する際に親星の光度が下がる現象)」を使って、系外惑星を発見する。NASAの「スピッツァー宇宙望遠鏡(Spitzer Space Telescope)」のデータも、今回の惑星の大きさと軌道を綿密に測定するために利用された。 

TESSは、NASAの最新の系外惑星探索望遠鏡であり、2600個余りの系外惑星を発見したことで有名な「ケプラー宇宙望遠鏡(Kepler Space Telescope)」の後継機にあたる。夜空の85%(ケプラー宇宙望遠鏡が観測できた範囲の400倍)を探索できるTESSは、初回の2年間の任務を間もなく終了するが、期待にはるかに及ばなかった。当初NASAは、TESSがトランジット現象を起こす2万個以上の系外惑星を発見すると見込んでいたが、任務終了が数カ月後に迫った現在、TESSが確認した系外惑星の候補は1588個にとどまっている。それでもTESSの任務が延長されることは、ほぼ間違いない。

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