このページの本文へ

ASRockのWi-Fi6対応キットを搭載、Core i7-9700KとGeForce GTX 1660 Tiとゲーム性能も高め

有線LANを凌駕するWi-Fi6対応ゲーミングデスクトップPC「ZEFT G11」が17万円台と高コスパ!

2019年12月27日 09時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

「ZEFT G11」

 Appleの「iPhone 11」が対応したことで市場の注目を集めるようになった新世代の無線LAN規格「Wi-Fi6」(IEEE 802.11ax)。Wi-Fi6は、規格上の最大通信速度が9.6Gbps、実効スループットは1Gbps以上とされ、無線でありながら有線LANをも凌駕する高速通信を実現し、今後の普及が期待されている。

 そのWi-Fi6にいち早く対応したデスクトップパソコンが、パソコンショップSEVENを運営するセブンアールジャパンから登場した。「ZEFT G11」と名付けられたマシンは、ASRockと協業し、同社のWi-Fi6モジュール「AX200」を搭載することでWi-Fi6対応を果たしている。では、このZEFT G11はどのようマシンなのか、詳しくみていきたい。

ゲーミング用途で高性能が期待できる
Core i9-9700K+GeForce GTX 1660 Tiという組み合わせ

 まずは、ZEFT G11の外観からみていこう。ZEFT G11が採用するケースは、NZXTのミドルタワーモデルの「CA-H510I-W1」。白一色にまとめられた外観が印象的で、左側のサイドパネルは内部が見えるよう強化ガラスが採用されている。天板の手前側にはUSB 3.1 Gen.1(Type-A)とUSB 3.1 Gen.2(Type-C)、それにヘッドセット入力端子を装備。Type-AのUSB端子は2系統ほしかったところだが、それでも前面からのアクセスは用意で、使い勝手は申し分ない。

天板の奥側には吸気孔を用意。その内部には120mm角ファンが装着されており、パソコンの上に物を置くユーザーは注意が必要だ

ZEFT G11の前面。白一色がかなり印象的だ

一方こちらは背面。映像出力はビデオカード側が優先されているため、マザーボード側の端子は使用しない

 CA-H510I-W1がユニークなのは、底面と右側面に吸気孔が設けられているのだが、いずれも取り外しが可能な防塵フィルターが装着されている点だ。そのため、防塵フィルターを取り外しての掃除が容易で、メンテナンス性の高さも押さえておきたいポイントだろう。

 サイドパネルを外して内部を確認してみると、内部空間はかなり広い。CA-H510I-W1が前面にドライブベイを搭載していない点に加えて、搭載するビデオカードがさほど大きくないため、簡易水冷クーラーを搭載しているにも関わらず、内部は非常にスッキリとした印象だ。これだけ広い空間が確保されているので、将来的なアップグレードを図る際でも、作業はかなり行ないやすい。また、前面から背面へと流れるエアフローを遮るものがないため、冷却面でも期待ができる。

サイドパネルを外してZEFT G11を横から見たところ。内部空間はかなり広い

 右側面を見てみると、マザーボードベースの裏側に2.5インチベイが2つ、底面部に3.5インチベイが2つ用意されているのが確認できる。今回の試用機ではその3.5インチベイに1TBのHDDを増設していたが、さらにSSDやHDDを増やす場合でも、拡張ベイも十分といえる。ちなみに、ZEFT G11ではメインドライブとしてM.2スロットにNVMe接続のSSDを500GB搭載。なお、光学式ドライブは搭載していないが、USB接続の外付けスーパーマルチドライブが標準で付属している。

M.2タイプでNVMe接続のSSDを搭載。Crucial製「P1 CT500P1SSD8JP」で、容量は500GBだ

 ZEFT G11のCPUは「Core i9-9700K」で、その冷却にはセブンアールジャパンがSilverStoneとコラボを行った簡易水冷クーラー「PF240-ARGB-7R」を採用。なお、240mmサイズのラジエーターはケース前面に装着され、そこには2基のファンを搭載。このファンにはLEDが内蔵されており、前面から漏れ出る光が、派手さを抑えながらも、しっかりと個性をアピールしている雰囲気はなかなかいい。さらに、GPUには「GeForce GTX 1660 Ti」を搭載し、フルHDであれば、ゲームにおいて高いパフォーマンスが期待できる。

ケース前面に240mmサイズのラジエーターを搭載。そこには120mm角のファンが2基装着されている

CPU-Z(Version 1.91.0)の実行結果。CPUにはi7-9700Kを採用

NVIDIAコントロールパネルからシステム情報を見たところ。GPUにはGTX 1660 Tiを搭載

 そして、忘れてはならないのが、ASRockのWi-Fi6対応キットを搭載している点だ。これは、IntelのWi-Fi 6モジュール「AX200」を核として、対応アンテナを組み合わせたもので、ASRcoがキットとして技術基準適合の認定を受けている。2019年11月20日に施行された電波法の改正では、技適マークのない製品であっても実験的な利用が認められるようにはなったが、ZEFT G11では背面に技適マークがしっかりと貼付され、安心して利用できる点はありがたい。

ZEFT G11はWi-Fi6に対応していることもあり、アンテナが付属している

背面から伸びる2本のアンテナケーブルと、その上に貼付された技適マーク

 なお、これらを支える電源ユニットには、80PLUS GOLD認証を受けた定格出力600WのSilverStone製「SST-ST60F-ESB」を搭載。最小18dBAの120mm角をファンを内蔵し、静音性も良好だ。電源ユニットはケースの底面に内部と隔てられる形で搭載されているため、電源ユニットによって内部のエアフローが乱れる心配もない。

税込みで20万円を切る価格は魅力的
Wi-Fi 6の使用を視野に入れた人にオススメ

Wi-Fi6は対応ルーターを用意しないと、真価を発揮できないものの、将来的なWi-Fi6の利用を視野に入れるなら、かなり魅力的なPCである

 気になるZEFT G11の価格は、17万3500円と税込みでも20万円を余裕で切っており、コストパフォーマンスはかなり高い。本機の最大のセールスポイントはWi-Fi6だが、それ以外にもゲーミング用途として高めのスペックを誇っており、今すぐWi-Fi6を利用せずとも、将来的に使用する場面が考えられるなら、このZEFT G11はかなり魅力的な1台である。

 では、このZEFT G11がどの程度のパフォーマンスを発揮するのか気になるところ。そこで、次回は、ZEFT G11でゲームが快適に動作するのか、Wi-Fi6の高速転送はどの程度なのか、実際に使用して確かめてみたい。

試用機の主なスペック
機種名 ZEFT G11
CPU Core i9-9700K(定格クロック3.6GHz、最大クロック4.9Hz、8コア/8スレッド、キャッシュ容量12MB)
CPUクーラー SilverStone PF240-ARGB-7R
グラフィックス GeForce GTX 1660 Ti(6GB GDDR6)
マザーボード ASRock Z390 Pro4(Intel Z390)
メモリー 16GB PC4-21300(DDR4 SDRAM、8GB×2)、スロット数4のうち2スロット使用
ストレージ 500GB SSD(Crucial「P1 CT500P1SSD8JP」、NVMe)、1TB HDD(東芝製、Serial ATA 6Gbps)
内蔵ドライブ DVDスーパーマルチドライブ(USB接続、外付け)
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)、無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n/ac)
インターフェース(前面) USB 3.1 Gen.1(Type-A)、USB 3.1 Gen.2(Type-C)、ヘッドセット端子
インターフェース(背面) USB 3.1 Gen.2(Type-A)、USB 3.1 Gen.2(Type-C)、USB 3.1 Gen.1×2、USB 3.0×2、HDMI、DisplayPort×3、スピーカー端子、1000BASE-T LAN、PS/2
拡張スロット PCI Express 3.0 x16、PCI Express 3.0 x4、PCI Express 3.0 x1×3
内部I/O SATA×6、M.2×2
電源 600W(SilverStone、80PLUS GOLD)
サイズ およそ幅210×奥行428×460mm
OS Windows 10 Home(64bit)

カテゴリートップへ