今回のことば
「電子情報産業がJEITAの中核であることに変わりはないが、いまのJEITAは電子情報産業だけに限らない。あらゆる産業が集うプラットフォームとしての業界団体になるべく、変革に取り組んでいる」(一般社団法人電子情報技術産業協会の遠藤信博会長)
Society 5.0に向けた動きが加速
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)の遠藤信博会長(=NEC会長)は、2019年を次のように振り返る。
「2019年は、Society 5.0に向けた動きが社会全体で一気に加速した年といっても過言ではない。デジタルプラットフォームを活用することにより、誰もが価値を作り出すことができる人間中心の社会と、社会課題を解決できる社会、さらには価値創造を通じて人間社会の持続性が可能になる社会が実現した」と2019年を総括。
「この動きの背景には、開催が来年に迫った東京オリンピック・パラリンピック、そして2025年の大阪・関西万博といったビッグイベントが控えていることにより、未来を考える機会が増えていることが要因のひとつだ」とする。
一方で「コンピューティングパワー、5Gによるネットワーク、AIを用いたデータ処理の劇的な進化と組み合わせにより、価値創造の可能性が一気に広がりつつあり、情報社会からデータ社会への移行によって価値創出は大きく変わってきた。まさにコラボレーション、共創の時代の到来である」とし、
「IT・エレクトロニクス産業を中心に、データを活用して社会課題の解決を目指す企業が参画しているJEITAは、この動きを加速し、Society 5.0を実現することを基本方針としている団体である」などと述べた。
「共創の時代の到来」「Society 5.0の実現」といった言葉で示すように、JEITAも、あわせて変わろうとしている。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ