今年もビルダーを魅了!AWS re:Invent 2019レポート 第4回
機械学習向けIDE「SageMaker Studio」からAIコードレビュー「CodeGuru」まで、機械学習関連の新発表
「平均的な開発者にも機械学習の力を」―AWSジャシーCEO基調講演
2019年12月24日 07時00分更新
AIサービス:機械学習がコードレビューを支援「Amazon CodeGuru」
機械学習モデルを自ら開発するのではなく、より手軽に機械学習の能力を活用したいユーザー向けには、あらかじめ学習済みモデルが組み込まれたMLサービス群も提供されている。ジャシー氏はこれらを「AIサービス」と呼ぶ。
これまでに画像/映像解析(Rekognition)や音声テキスト化(Transcribe)、音声合成(Polly)、翻訳(Translate)、インサイト抽出(Comprehend)、チャットボット(Lex)などを展開してきた。昨年のre:Inventでもパーソナライズ(Personalize)や予測(Forecast)、OCR(Textract)を発表している。
こうしたAIサービス群は、巨大なスケールで展開されているコンシューマービジネス(Amazon.com)における教師データ収集と実践で鍛えられてきたものだ。今回も、Amazonの現場から生まれたと言えるような、複数のサービス群が追加されている。
まず、アプリケーション開発におけるコードレビューやパフォーマンス改善を支援するMLサービス「Amazon CodeGuru」を発表している(プレビューリリース)。機械学習モデルに基づいてアプリケーションコードに含まれる問題点や脆弱性を指摘する「CodeGuru Reviewer」と、アプリケーションパフォーマンスを継続監視/分析する「CodeGuru Profiler」で構成される。
CodeGuruの機械学習モデルは、Amazon社内のプロジェクトおよびGitHub上のオープンソースプロジェクトから得た大量のコードベースでトレーニングされており、いわば“ベストプラクティス”をモデル化したもの。ジャシー氏によると、CodeGuruは実際にAmazon社内で8万5000のアプリに適用されており、「Amazonプライムデー」におけるCPU使用率を325%向上させ、39%のコスト削減につなげた実績もあるという。
CodeGuru Reviewerは、開発者が利用するコードリポジトリの「GitHub」や「AWS CodeCommit」と連携動作する仕組みだ。開発者がプルリクエストにCodeGuruを追加すると、CodeGuruは自動的にコードレビューを行い、問題のある箇所に推奨事項(修正のレコメンド)をコメントする。
またCodeGuru Profilerは、エージェントを通じて本番環境のアプリケーションパフォーマンスを継続的に監視し、監視結果に基づいてコード内の「最もコストがかかる(処理にリソースを必要とする)」行の特定や、改善方法の推奨などを行う。
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