次いでLightroomでRAWデータの書き出し時間の測定をした。2400万画素のデジカメで撮影した500枚のRAWデータをなにも補正しないでそのままPSD16bit形式で書き出しを行なった。処理にかかった時間は約7分46秒、JPEGの最高画質で書き出した場合には約7分30秒ほどだった。これはかなり早く、1世代前のデスクトップマシンに匹敵するスピードだ。
2400万画素のデジカメデータをPSD16bit形式で書き出した場合、1ファイルあたり約140MBくらいの容量になる。これが500枚あると約70GBほどになってしまうため、書き込み先がSSDであってもSATA接続だったりすると書き込み待ちが生じて、CPUが止まってしまい、処理時間がとてもかかることがある。
なお書き出すのがJPEG形式の場合には1ファイルが10MB程度で500枚あっても5GBくらいなのでそうそう書き込み待ちがおきることはない。基本的にLightroomの書き出し処理はCPUがメインで利用され、GPUは主にプレビュー時の描画に用いられるので高性能なRTX 2070の本領を発揮できているわけではないが、処理作業中にGPU効果で即座にプレビューが行え、書き出しには高性能なCPUが効果的に機能するので総合的にかなりハイレベルなマシン構成になっているといえる。
次は動画編集ソフトのDaVinci Resolve 16で簡単なカットの繋ぎを実行した。デジカメで撮影した4K/24フレーム、約30秒の動画を20カットほどそのままつなげて約10分の動画にして書き出した。書き出しにはDaVinci Resolve 16にプリセットされているYOUTUBE用フルHDの設定でファイル形式をMOVからMP4に変更しただけだ。
DaVinci Resolve 16ではGPUをオフにできないため比較はできないが、タスクマネージャーを見る限りではしっかり補助しているように思えた。合間にエフェクトを挟んだり色を変えたりした場合のプレビューでも即座に反映するので作業が止まることなく、快適だった。動画でも静止画でもこういった変更に対して瞬時にプレビューが反映されるのは作業効率的がとても高くなる。
基本的にはゲーミングPCだが高性能なCPUとGPU、そして4Kで表示できる有機ELパネルと性能に文句はなくあらゆる作業が快適だった。
クリエイティブ用途に必要なPCであっても結局求めるのは性能と耐久性でゲーミングPCとは大きな差はなく、特に本機「N1588J-720/T」では有機ELパネルを採用しているため、一部のゲームでは重要視されるディスプレーのリフレッシュレートが通常の液晶と同じ60HzということもあってFPSのような高速応答性よりもRPG等のきれいに楽しむ方向性になっていることもあり、クリエイティブ作業との親和性は高くなっている。
標準状態で16GBのメモリーは動画ソフトをメインに扱うなら32GBにしておきたい部分ではあるが、ストレージがNVMeに対応している点等十分にワークステーションとしての実力を持ったノートPCだ。
(提供:TSUKUMO)