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業界人の《ことば》から 第370回

世界1位のスパコン富岳は競争のために作ったわけじゃない

2019年12月12日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集● ASCII

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京と比べコンパクトになった富岳

 富岳は、CPUにはA64FXを採用。ARMのv8-A命令セットアーキテクチャーをスーパーコンピューター向けに拡張した「SVE」を世界で初めて使用した。CPUピーク性能は京の24倍となる3TFLOPS、メモリバンド幅は京の16倍となる1024GB/sを実現する。

 1ペタのシステムの場合、京では80個の計算ラックと、20個のディスクラックが必要であり、計算ノード数は7680、IOノード数は480、設置面積は128平方メートルが必要だった。だが、富岳では1ラックだけで済み、設置面積も1.1平方メートルで足りる。

生産されたスーパーコンピューター「富岳」

 そして、富岳の開発で培った技術を、商用スーパーコンピューターである「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000/FX700」にも活用することになるほか、米クレイとのパートナーシップ契約により、A64FXがクレイのスーパーコンピューターにも搭載されることになる。

 富岳は、石川県かほく市の富士通ITプロダクツで生産される。同工場は、富士通のサーバー、ストレージの生産拠点であり、京もこの工場から生まれた。

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