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基本的なCPUやストレージ性能をチェック

第3世代Ryzen 7で15万円台の高コスパゲーミングPCは高水準の性能を発揮

2019年12月06日 09時00分更新

文● 松野将太 編集●八尋/ASCII

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「LEVEL-M0B4-R73X-ROR」。実売価格は15万678円

 ユニットコムが販売するゲーミングブランド「iiyama LEVEL∞」の「LEVEL-M0B4-R73X-ROR」は、CPUにAMDの「Ryzen 7 3700X」、GPUにNVIDIAの「GeForce RTX 2060」を搭載するデスクトップパソコンだ。本製品はそのゲーミング性能もさることながら、高い性能と比較的安価なプライスレンジで人気の第3世代Ryzenを搭載し、実売価格をほぼ15万円に抑えたコストパフォーマンスの高さが1つの売りとなっている。旧世代からの買い替えはもちろん、初めてのゲーミングパソコンとしても魅力的なモデルだろう。

 この記事では、そんな「Ryzen 7 3700X」の基本的なベンチマーク性能をチェックしていく。

CPUは文句なしの高性能、ストレージはSSDとHDDで使い分けたい

「CPU-Z」で取得した「Ryzen 7 3700X」の情報

「GPU-Z」で取得した「GeForce RTX 2060」の情報

 Ryzen 7 3700XおよびGeForce RTX 2060を搭載するLEVEL-M0B4-R73X-RORは、ゲーミングパソコンとしてはミドルハイクラスとでもいえる高水準の性能を発揮する。フルHD解像度のゲーミングではほとんどのタイトルで最高画質設定を適用が期待できるわけだが、基本的なCPUやストレージ性能はどうだろうか。実際に、ベンチマークで確認してみよう。

 まずはCPUの性能を計測する定番ベンチマーク「CINEBENCH」の結果を見ていこう。「CINEBENCH R15」、および最新の「CINEBENCH R20」で、マルチスレッドテストおよびシングルスレッドテストのスコアーを計測している。

「CIENEBENCH R15」のスコアー

「CIENEBENCH R20」のスコアー

 「CIENEBENCH R15」では、マルチスレッドテストのスコアーが2094cb、シングルスレッドテストのスコアーが201cbと高い性能を発揮できており、さすがに第3世代Ryzenの人気モデルといったところ。第2世代まではシングルスレッド性能の弱さが気にされがちだったが、現行世代ではそうしたポイントもしっかり克服しており、メインストリームのCPUとしては極めて優秀だ。

 「CIENEBENCH R20」のスコアーは、マルチテストが4769pts、シングルテストが492ptsという結果で、基準となる数値こそ違うものの、傾向としては「CINEBENCH R15」と同じだ。

 同じくCPU性能を測る3Dレンダリング系のベンチマーク「V-Ray Next Benchmark」の結果も見てみよう。

「V-Ray Next Benchmark」のスコアー

 以前の「V-Ray Benchmark」は特定環境でのレンダリング時間を計測するものだったが、最新版の「V-Ray Next Benchmark」は「CINEBENCH」と同じく独自指標での評価を採用している。V-RAY(CPU)テストのスコアーは13329ksamples、V-RAY GPUのスコアーは182mpaths。CPUとGPU、どちらもゲーミングPCらしく、レンダリングにおいては高いスコアを発揮できている。

 ストレージ系のベンチマークも確認してみよう。LEVEL-M0B4-R73X-RORは240GB SATA SSDに加えてデータ保存用の1TB HDDを搭載しており、容量的には十分なデータの保存が可能だ。まずは、SSD専用のベンチマークソフトである「AS SSD Benchmark」の結果から見てみる。

「AS SSD Benchmark」のスコアー

 システムドライブであるSSDは、シーケンシャルリードが毎秒520MB、シーケンシャルライトが毎秒367MBと、どちらもHDDを超える速度が発揮できている。書き込み速度はやや遅く見えるが、このテストではしばしば製品の最大スペックより一段落ちる結果が出力されるためで、極度に気にする必要はないだろう。総合スコアーは1000超えで、一般的なSATA SSDの水準に達している。

システムドライブ(SSD)の「CrystalDiskMark」スコアー

データドライブ(HDD)の「CrystalDiskMark」スコアー

 定番の「CrystalDiskMark 6.0.2」での計測は、システムドライブの速度が「AS SSD Benchmark」の時を上回り、インターフェースの限界に迫る速度を計測できている。データドライブはHDDだけあって遅めだが、それでもシーケンシャルでリード/ライトともに200MBを超えており、健闘しているほうだ。ゲームはなるべくSSDにインストールしたいところだが、軽めのインディーゲームなどは容量節約のためにHDDに入れる、といった使い分けも考えたい。

システムドライブ(SSD)の「ATTO Disk Benchmark」スコアー

データドライブ(HDD)の「ATTO Disk Benchmark」スコアー

 最後に「ATTO Disk Benchmark」でデータサイズごとの結果を確認しよう。SSDではややばらつきがあるものの、データサイズが64KBを超えればおおむね数値が安定する。数値自体は「CrystalDiskMark」より若干落ちるものの、大きくは変わらない。HDDは書き込み性能がデータサイズの大型化とともに減少していくのがネックだが、このあたりはいかんともしがたいポイントではある。速度には期待できないため、SSDとの組み合わせでうまく活用していきたいところだ。

 次回はゲーム系のベンチマークを計測し、「LEVEL-M0B4-R73X-ROR」の実力を見ていこう。

試用機の主なスペック
機種名 LEVEL-M0B4-R73X-ROR [Windows 10 Home]
CPU Ryzen 7 3700X
グラフィックス GeForce RTX 2060
メモリー 8GB
ストレージ 240GB SSD+1TB HDD
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)
インターフェース USB 3.1端子×2、USB 3.0端子×6、HDMI出力×2、DisplayPort×3、アナログ2ch(ライン出力、ライン入力、マイク入力)、PS/2コネクタ、ミニD-sub端子 15ピン、DVI-D、有線LAN端子
サイズ およそ幅190×奥行410×高さ356mm
OS Windows 10 Home(64bit)

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