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既存のNetBackup環境とも連携、ROBO/エッジ環境にもエンタープライズデータ保護を拡張

ベリタス、1Uの小規模向けバックアップアプライアンス「Flex 5150」発表

2019年11月29日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ベリタステクノロジーズは2019年11月28日、小規模拠点向けのバックアップ製品「Veritas Flex 5150 アプライアンス」を発表した。同社の「NetBackup」ソフトウェアを搭載した1Uサイズのアプライアンスで、実効容量14.5TBのストレージを内蔵し、およそ100台までのエンドポイント/サーバー環境に対応する。

 記者発表会では、Flex 5150アプライアンスの製品特徴のほか、適用先となるさまざまなユースケースが紹介された。専任IT担当者のいないリモートオフィス/ブランチオフィス(ROBO)やエッジ環境におけるシンプルなデータ保護のほか、小規模なDR環境の構築、既存のNetBackup環境との連携、またクラウドゲートウェイとしての利用もできることが紹介された。

新製品「Veritas Flex 5150 アプライアンス」の特徴
ベリタステクノロジーズ テクノロジーセールス&サービス本部 常務執行役員の高井隆太氏ベリタステクノロジーズ バックアップ&リカバリーアーキテクトの勝野雅巳氏

1台でシンプルにデータ保護機能を提供、クラウドゲートウェイにも切り替え可能

 Flex 5150は、昨年発売された大規模環境向けの「Flex 5340アプライアンス」に続く、Flexアプライアンスの2モデル目となる製品。12月初旬から一般販売を開始する予定。

 NetBackupアプライアンスとは異なり、Flexアプライアンスでは、バックアップ処理を行う「マスタサーバ」と「メディアサーバ」、パブリッククラウドへ重複排除データを転送するゲートウェイ「NetBackup CloudCatalyst」の各ソフトウェアをコンテナとして提供している。Flex 5150の場合は、これらのコンテナを組み合わせ、1台で最大2インスタンスまで実行できる(Flex 5340は最大6インスタンス)。

 Flex 5150本体は、冗長電源/ファンを備えた1Uサイズの筐体に、インテルXeonプロセッサや64GBメモリ、バックアップストレージとして8TB HDD×4、オンボードのネットワークインタフェースとして1ギガビットEthernet(1GbE)×4を搭載している。バックアップストレージはRAID 10構成で、実効容量は14.5TB。またネットワークインタフェースの拡張ボード(オプション)として、1GbE×4、10GbE×2、10/25GbE×2のいずれかを追加することもできる。

Flex 5150本体のハードウェア仕様

 同社 バックアップ&リカバリーアーキテクトの勝野雅巳氏は、これまで小規模拠点やエッジ環境でNetBackupによるデータ保護環境を整えるには、IAサーバー+NetBackupソフトウェア、仮想アプライアンス、NetBackup 5240アプライアンス、遠隔データセンターへのリモートバックアップといった手法があったが、それぞれサーバーの運用管理やセキュリティ、コスト、リカバリにかかる時間などに課題があったと指摘。小規模拠点/エッジ環境に最適化された設計のFlex 5150によって、こうした課題が解決できると説明した。

小規模/エッジ環境にNetBackupを導入するためにはさまざまな課題があった。Flex 5150によりそれをすべて解決できるとアピール

 Flex 5150のユースケースとして、勝野氏は大きく4つの適用シーンを紹介した。

 まず一般的なデータ保護用途では、NetBackupの永久増分&重複排除バックアップを利用して、総容量14TB(エンドポイント/サーバー100台程度)を1台でカバーする。さらにFlex 5150をもう1台、リモート拠点に導入してバックアップデータを遠隔コピーすることで、小規模なDR環境を構成することも可能だ。

 また既存のNetBackup環境との連携も考えられる。地方拠点/エッジに安価なFlex 5150アプライアンスを配置し、中央(本社)のデータセンターにあるNetBackup環境への遠隔コピーでDR化を図る。また、Flex 5150でNetBackup CloudCatalystのインスタンスを立ち上げ、既存NetBackup環境のクラウドゲートウェイとして利用することもできる。

Flex 5150で考えられるユースケース。クラウドゲートウェイ(CloudCatalyst)アプライアンスとして利用することもできる

 なお既存NetBackup環境との連携においては、NetBackupのソフトウェアバージョンを合わせる必要があるケースもあるが、勝野氏はFlex 5150ならばそれも容易にできると説明した。旧バージョンのNetBackupもFlex用コンテナとして用意されており、それをインスタンスとして立ち上げるだけでバージョンの整合性をとることができる。ほかにもコンテナの仕組みは運用管理のシンプル化に役立っており、たとえばNetBackupのアップグレード作業がWebインタフェースから5~6分程度で完了すること、テスト動作を行い問題があった場合でもすぐにロールバックできることなどを紹介した。

 またベリタスではアプライアンス製品向けに「Veritas AutoSupport Services」を提供しており、この仕組みを使ったベリタス側からの予兆保守を含む障害監視や原因分析、管理者への自動アラート/レポートなども提供できると述べた。この自動サポートサービスは、ベリタスのクラウドがアプライアンスから稼働データを収集、分析して実現するもの。

 Flex 5150は本体ハードウェアと専用の容量ライセンス、さらにNetBackupの各種ソフトウェアライセンスで構成される。このうちNetBackupのソフトウェアライセンスについては、顧客がすでに保有しているライセンスを適用することも可能だ。

 それぞれの価格については公表していないが、Flex 5150本体と容量ライセンスの価格については、従来製品であるNetBackup 5240と同容量で比較すると「定価ベースで4割ほど安い」(勝野氏)と説明した。また、12月初旬の提供開始から2020年6月末までは特別キャンペーン価格を適用し、販売促進を図るという。

既存のNetBackupライセンスを保有している場合は、そのライセンスを適用することもできる

「ベリタスとして戦略的に重要な製品」パートナー施策にも注力

 同社 テクノロジーセールス&サービス本部 常務執行役員の高井隆太氏は、ベリタスの考えるデータ保護/データ活用戦略におけるFlex 5150の位置付け、また国内市場での販売戦略を説明した。

 ガートナーの予測によると、企業のデータが生成される場所は今後、データセンター/クラウドからその「外」へと移行していくという。具体的には、2025年には全データのうち75%が、データセンター/クラウド以外の場所で生成されると予想されている。この「外」のひとつとして、ROBOやエッジ環境が考えられる。

ガートナー予測によると、現在は90%のデータがデータセンター内で生成されているが、わずか数年後には75%のデータがデータセンターの外で生成される状況に変化する

 ここで課題となるのが、データセンター/クラウドの「外」にあるデータの保護だ。前述したように、ROBOやエッジ環境にはIT専任担当者がいないケースも多く、ほかにもセキュリティ対策、IT機器の設置スペース、WAN帯域といった課題がある。その課題を解消するための選択肢のひとつとして、今回Flex 5150を発表した。

ベリタスのアプライアンス製品ファミリー。なおNetBackup 5240においては、顧客ニーズに応じて新たに7年保守のサービスも提供すると述べた

 Flex 5150について、高井氏は「ベリタスとして戦略的に重要な製品」だと述べた。これまではNetBackupでカバーできなかったROBO/エッジ環境に、データ保護の範囲を拡張していく新たな製品となるからだ。そのため、パートナー施策も強化していく。

 すでに主要販売パートナーとの共同プロモーション展開も予定している。販売開始後、まずは販売パートナー向けのハンズオンおよび勉強会を随時開催していく。また全国の主要都市で、エンドユーザーやリセラーを対象とした共同セミナーを開催する。さらに、セミナーを共同開催するパートナー向けの特別キャンペーン価格での販売展開も行うと述べた。

 さらに、より小規模かつ多様な拠点での導入が考えられることから、これまでのNetBackup製品よりも幅広いパートナー層が扱うことになる。高井氏は、これまで中小規模向けの「BackupExec」製品を主に扱ってきたパートナーが、Flex 5150を通じてNetBackupも新たに扱うケースはあるだろうと語った。

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