固定電話経験が少なく連絡は直接・LINEが基本
10代の子どもたちが固定電話を苦手という話は聞いたことがあるかもしれない。苦手な理由と背景、ネット通話との付き合い方について解説したい。
10代が固定電話を苦手なのには理由がある。そもそも固定電話が家にないことも多く、使う経験が乏しいことが大きい。
「(使った経験が)まったくないわけじゃないけど、ほとんどないのは事実。公衆電話の使い方も教えてもらったことはあるけど、自分から使ったことはない」とある高校生は言う。小さい頃からキッズケータイやスマホなどを与えられており、「連絡は直接ケータイやスマホが基本だった」。
その高校生は、知らない人の電話には出ない。「スマホだと電話をかけてきた相手の名前がわかるし、知らない相手からかかってきた場合は詐欺かもしれないから」と言う。
もう1つの理由は、LINEだ。10代の子たちは同じクラスの友人でも電話番号・メールアドレスを知らず、LINEのみ交換している場合が多い。LINEはコミュニケーションインフラと化しており、電話やメールでのやり取り自体が減っているのだ。
このような事情が背景にあり、会社でも知らない人からの電話は極力出たくない、上司にもLINEで遅刻や欠席の連絡をする新入社員ができあがってしまうというわけだ。新人研修は、固定電話の出方やメールの書き方から学ぶというのは一般的になってきてしまった。
LINE通話はつなぎっぱなし、ボイチャも当たり前
ただし、10代の若者たちが通話をしないということはない。むしろ、LINE通話はよく利用されているようだ。かけたい相手に直接つながる上、Wi-Fiに接続した状態で話せば通話料もかからないため、重宝されているのだ。
「放課後は彼氏とはLINE通話でつなぎっぱなし状態となっている」と、ある女子高生は言う。特に話すわけでもなく、時々相手の声が聞こえたり、気配が感じられるのがいいそうだ。「つないだまま寝てしまうことも多い。彼氏のいびきが聞こえたこともある」。
ゲームをしている間は、以前お伝えしたようにボイスチャットで話しながらプレイすることが一般的となっている。話しながらだとゲームが盛り上がり、協力プレイもやりやすいという。
10代は、知らない人に電話をすることが苦手だが、親しい相手と通話することは楽しんでいるのだ。ただし、社会に出ると知らない相手とも電話をする必要があるため、10代のうちにできるだけ意識して経験しておくといいだろう。電話をかけてよい時間、挨拶などにルールやマナーがあるので、周囲の大人はぜひ教えてあげてほしい。
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