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「届け出だけでもらえるお金」、給付金・助成金を取りこぼさない方法

2019年11月25日 06時00分更新

文● ますだポム子(ダイヤモンド・オンライン

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ゆりかごから墓場まで、暮らしを支えてくれる給付金や制度が充実している日本。膨大かつアップデートされていくサービスの中から、自分に該当するものを見つけるのはなかなかに手間がかかるものだ。しかし、コツさえつかめば必要な情報だけを取ることも簡単だという。申請してもらえる・返ってくるお金の情報をうまく仕入れる方法とは?(清談社 ますだポム子)

届け出だけでもらえるお金の情報は
自分からゲットするしかない

家計簿をつける女性
給付金や助成金を手にするためには、自分から情報を探さなければならない。国や自治体が親切に教えてくれることはないのだ Photo:PIXTA

 人生のあらゆる場面で、給付金や助成金がもらえる場面は多い。たとえば、子どもを出産すれば「出産育児一時金」が支給され、住宅を購入すれば「すまい給付金」により消費税負担が緩和される。

「しかし、こうした節目ごとにお金がもらえるということを知らない人も多いのです。社会保険料や税金を払っているにもかかわらず、知らないからとスルーしてしまうのは、とてももったいないですよね」

 そう語るのは、経済エッセイストやファイナンシャルプランナーとして活躍する井戸美枝さん。井戸さんは『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)『100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!』(集英社)などの書籍を出版し、複雑なお金との付き合い方を分かりやすく解説する専門家だ。

「こうした制度があることを、国側は宣伝してくれません。しかも、利用者が少なければ“需要がない”と判断され、制度自体がなくなってしまう恐れもあります。給付金や助成金の支給、減税の措置を望むなら、自分から情報を入手しにいくことが重要なのです」

 どんなタイミングで、どんな条件の人が、どこに届け出れば良いのか。それらの情報がまとまっているサイトや本は多いが、書かれているデータが常に最新とは限らない。今年10月の消費増税の際にも、「すまい給付金」の受給対象者が拡充したり、「住宅ローン減税」の控除期間が3年に延長されたりしている。このように内容の更新があることを考えると、その時々で最新の情報を得ることの重要性が分かるだろう。

「受給できる条件や届け出先の情報を、常に把握しておく必要はありません。実際に届け出をするときに、必要な内容だけを調べれば、十分です。そのために大事なのは、“実際に届け出をするとき”がいつなのか、それを理解することだけなのです」

お金がもらえるタイミングは
「人生ゲーム」を思い浮かべるべし

 井戸さんいわく、届け出だけでお金がもらえるパターンには3種類あるという。

『大図解 届け出だけでもらえるお金』(プレジデント社)

「『児童手当』や『出産祝い金』などの“もらえるお金”。『住宅リフォーム助成』や『生垣緑化助成』などの“購入などにかかった費用の一部を補助してくれるお金”。3つ目のパターンは “もらえる”というより“課せられる税額が差し引かれる”ものですが、『医療費控除』や『住宅ローン控除』などがあります」

 制度の名称を見ると、お金がもらえる・戻ってくる状況にはある共通点があることが分かる。どの制度も、出産、マイホーム購入、病気の罹患など、良しあしあれど人生における一大イベントばかりなのだ。こうした“一大イベント”こそ、“実際に届け出をするとき”なのだという。

「分かりやすくいうなら、『人生ゲーム』でお金が動くマスは、たいてい給付金や助成金がもらえます。結婚する前、転職する前、マイカーを購入する前など、大きな出費が予想されるときは、その行動によってお金がもらえないかを必ず調べてみてください」

 自分が届け出の対象となり得るタイミングがきたときに検索をするだけで、お得な情報を漏らさずに済むのだ。また、こうしたライフイベントとは関係なく、内容や条件が変わる制度もあるという。

「そうした場合でも、アップデートされる時期が大体決まっています。たとえば、社会保険は4月、労働保険や雇用保険は8月、税金関係は1月に内容の変更があることが多いです。だから、その時期のひと月前くらいに最新情報をチェックすれば、情報を漏らすことはありません」

 なぜひと月前のチェックが推奨されるのか。それは、なかには定員を設けている制度もあり、往々にして先着順で締め切られるからだという。

「また、購入費用の一部が助成されるケースの場合には、対象期間が定められているものもあります。うっかり期間を過ぎてしまわないためにも、少し前倒しで調べることを心がけてください」

家庭内の支出を一括管理すべし
お役立ちアプリも活用しよう

 ライフイベントとひも付いた制度は覚えておきやすい。一方で、「医療費控除」など、1年間の医療費の合計額が明確でないと控除されないようなシステムは、抜けてしまいがちだ。しかも計算も面倒だ。たとえば医療費控除の場合、家族全員の医療費の合算が10万円を超えれば控除の対象となる。だが、家族全員の医療費の管理が面倒で、控除対象なのかどうか把握できていない人も多いのではないか。

「そういうご家庭は、とにかくレシートをひとまとめにして保管する癖をつけてください。現物では紛失の恐れもあるので、よりオススメなのは、写真に撮って家族の共有データフォルダにアップすること。フォルダの中も『医療費』や『教育費』など、分けて管理しておくと便利ですよ」

 細分化することで合算がしやすいだけでなく、お金の流れを可視化できるというメリットもある。

「何にいくら使っているのかが、ひと目で分かるのです。流れが分かると、過去の年との比較もしやすくなります。ということは、無駄な出費や、控除の対象になりそうな項目が見つけやすくなるのです。お金をためるうえでも、返してもらううえでも、こうした記録は便利です。また、契約している保険の情報なども併せて記録すれば、いざという時にも役立ちます」

 こうしたデータの管理は、それぞれの家庭に合ったやり方を採用すればOK。アプリやクラウドサービス、もちろん現物でも、続けられるやり方であれば良いのだ。使う人によって合う方法は違うものの、井戸さんは特にオススメの管理方法を教えてくれた。

「“Zaim”という家計簿アプリがオススメです。Zaimには、各家庭の支出や世帯構成、住んでいる地域を入力すると、もらえる可能性があるお金が自動で出てくるサービスがあるのです。届け出だけでもらえるお金は、地域によって、条件や内容が異なったり、そもそもの有無も違います。自分に合った情報が出てくるのはうれしいですよね」

 また、直接お金がもらえたり、戻ってきたりするわけではないが、得する払い方で出費を抑える方法がある。

「たとえば、国民年金は2年分をまとめて払うことで1ヵ月分がお得になります。NHKの受信料も12ヵ月分をまとめて前払いすることで継続払いより安くなったりしますし、家族割引などもあります」

 支出を最小限に抑え、もらえたり戻ってくるお金を取りこぼさない。そのために、タイミングごとに制度の最新情報を確認することや、日々の支出を記録することを習慣化すれば、自然と貯蓄が増えるかもしれない。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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