お手頃価格でエステル配合のわかりやすさ
今回入れるオイルは、日本サン石油製造の「SUNOCO Svelt 0W-20 SN Plus」であります。スノコスヴェルト。いかにもツルッと行きそうな名前もいい感じなのであります。
いまの化学合成油は選びにくい、という話を前回いたしました。昔は鉱物油扱いだった基油が、いまは高性能化して化学合成油を名乗っているからであります。技術の進歩で、良いオイルが安く買えるのは大歓迎でありますが、それでもPAOやエステルのような、昔ながらの化学合成油とは特性が違う。買う側としてはそこを納得して使いたいわけですが、オイルの設計は企業秘密でありますから、メーカーもはっきりとは言いません。
今回のSUNOCO Sveltは「FULL SYNTHETIC」で「エステル配合」をうたったものです。それで4リットル4000円程度のお手頃価格ですから、VHVIにエステルを添加剤的に混ぜたものだろう。そんな風に中身の察しがつく表示は、老舗メーカーには珍しいわけであります。
ほかにもうひと缶、HIVIとPAOが基油という、通販専門新興ブランドTAKUMIの「HYBRID 0W-30」も買い置いておりますが、Sveltの流動点「マイナス35度以下」に対してTAKUMIは「マイナス45度以下」。より低い温度でもサラサラということで、TAKUMIはこれからの極寒期に向けて温存することとします。
ところでTAKUMIは、グループIIIのオイルを「HIVI」と呼んでおりまして、これはHigh Viscosity Indexの略でしょう。ところが同じ文言の頭文字をとった「HVI」は鉱物油のグループIIを指すこともありますから紛らわしい。そこで念のためメーカーに問い合わせたところ、HIVIも他メーカーのVHVI(=Very High Viscosity Index)と同じグループIIIの基油で、メーカーによる呼び方の違いだけ、ということです。このあたりもわかりやすくならないものかと思いますね。

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