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ビルオーナーやビル管理者向けのダッシュボード「BUILLINK(ビルリンク)」サービスを発表

日立IoT「Lumada」でエレベーター/ビル設備の稼働可視化や設定変更

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 日立製作所および日立ビルシステムは2019年10月16日、IoTプラットフォーム「Lumada(ルマーダ)」の新たなソリューションとして、ビルオーナー/ビル管理者向けのダッシュボード「BUILLINK(ビルリンク)」を発表した。11月15日から提供を開始する。

 「見える、つながる、動かせる」をコンセプトに開発されたBUILLINKは、ビルオーナーやビル管理者が、エレベータをはじめとするビル設備の稼働状況や保全状況などをPCやスマートフォン上で確認できるサービス。エレベータの運行制御やカゴ内の情報表示変更、保全レポートの表示など、詳細かつ多様なサービスメニューを提供することで、ビル管理業務の効率化に貢献する。

ビルオーナー/ビル管理者向けダッシュボード「BUILLINK(ビルリンク)」

 こうしたサービスの提供は、日本では初めてだという。まずは日立ビルシステムが保全サービスを提供しているエレベータを対象に提供を開始し、順次、エレベータ以外のビル設備にも対象を拡大する。日立ビルシステムの保全サービス契約者であれば、追加費用なしで利用できる。

 日立製作所 ビルシステムビジネスユニット フィールドサービス事業部長の深尾卓志氏は、エレベータやビル設備の保全作業はこれまで「電話による作業終了報告」や「紙によるレポート提出」といったかたちで行われていたと説明。これをデジタル化することで、迅速化を図ることができると述べた。

 「BUILLINKの提供によって、お客様の情報把握、業務効率化への対応、サービスの高付加価値化とユーザビリティの向上を実現できる。競合他社にはない高付加価値サービスの提供によって差別化し、お客様とのつながりを強化したい。リニューアルの際にもまた日立を選んでもらえる提案にもつながる」(深尾氏)

日立製作所 ビルシステムビジネスユニット フィールドサービス事業部長の深尾卓志氏

ビルオーナー/管理者がエレベータやビル設備を直接監視、設定変更できる

 日立ビルシステムでは、現在18万台のエレベータをビルに導入しており、そのうち2011年以降に導入した16万台については遠隔管理が可能となっている。加えてエスカレータも2万台の導入実績があり、これらも遠隔管理が可能だ。これらのビル設備からはさまざまな稼働データをリアルタイムに収集、監視しており、データ分析に基づく「予防保全」を実現する監視/保全サービスを提供している。

 ただしこれまでは、ビルオーナーやビル管理者自身が直接、稼働状況などを確認できる仕組みではなく、日立ビルシステムに問い合わせて方向を受けるかたちだった。近年では、日々のビル管理業務を効率化したい、あるいは広域災害時などに稼働状況や復旧の進捗状況などを直接、タイムリーに確認したいといったニーズが高まっており、その対応が求められていた。

 今回のBUILLINKは、そうした課題に対応するものと位置づけられている。まず「情報提供サービス」として、保全契約中のエレベータの稼働状況、災害時の復旧状況、故障などの問い合わせへの対応状況、保全契約情報や過去の点検/修理/整備作業実績、今後の点検予定日、過去の点検レポートや遠隔監視診断レポートなどの表示機能を提供する。

 また「安全・安心サービス」として、エレベータカゴ内に設置されている監視カメラ映像のダウンロードサービスを提供する。さらに「設定変更サービス」では、運行休止/再開やエレベータの待機階変更、空調ファン制御といった運行制御設定、エレベータ内の画面に表示するコンテンツの設定が行える。

BUILLINKが提供するサービスの概要(一部)。稼働状況の可視化や柔軟な設定変更を実現する

 加えて、システム停止などの情報通知や担当営業とのやり取りをメールで行える「コミュニケーションサービス」もある。将来的には、チャットボットを活用した自動対応のサービスも用意する予定だという。

 深尾氏は、こうしたサービス群を利用することで、たとえば「利用者が鍵をエレベーターのピット内に落としてしまったような場合に、その対応を依頼したり、対応作業の進捗度合いを確認したりすることができる」と語る。また大型台風が近づいている場合に、ビルオーナーや管理者自身でエレベータを上階に退避させ、冠水に備えるような制御も可能だと説明した。

BUILLINKのサービスコンセプトは、エレベータなどのビル設備が「見える/つながる/動かせる」というもの

BUILLINKを武器にエレベータの遠隔監視/保全サービスをグローバルへ展開

 日立ビルシステムでは今回、これまで日本国内で提供してきたエレベータ遠隔監視/保全サービスを、東南アジアを中心にグローバル展開開始すると発表している。グローバル展開においてもBUILLINK活用を積極的に提案していくほか、複数台のエレベータを効率的に運行可能にするAI活用の人流予測型エレベータ運行管理システム「FI-700」を2020年4月から販売開始することも発表した。FI-700では、混雑時の平均待ち時間を従来比で最大20%削減できるという。

 「2020年にはBUILLINKをフェーズ2に展開し、グローバル展開のほか、ビル設備全体への対応、データに基づく修理/リニューアル提案、運行データの分析による運行最適化の提案、コミュニケーション機能の強化などを図る。まずは新設エレベータを対象にBUILLINKサービスの提供を開始する。2021年までには国内外5万台以上で利用されると見込んでいる」(深尾氏)

グローバル管制センターを核に、ビル分野のLumadaソリューションを高度化、グローバル展開していく方針

 日立のビルシステム事業の売上高は、2018年度実績で6216億円(2018年度実績)。そのうちの57.7%が昇降機(エレベータ、エスカレータ、動く歩道)の製造販売、また42.3%が昇降機のリニューアルや保全サービス、またビル整備管理サービスである。アジアを中心に昇降機需要は拡大しており、IoTやAI、VRといった先進技術によるデジタライゼーションを加速し、保全サービスのさらなる高度化に取り組む。

 「『昇降機』と『ビルサービス』という2つのビジネスを両輪として、ビルシステム事業を拡大していく。特に現在ではビルまるごと、設備まるごとといったかたちの管理ニーズが高まっている。日立にはITビジネス部門という強みがあり、それを生かしながら、ビルサービスによる差別化を図っていく」(深尾氏)

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