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サッカー日本代表直伝!短時間で子どもの足が速くなる2つの練習法

2019年10月02日 06時00分更新

文● 伊東純也(ダイヤモンド・オンライン

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かけっこ
足の速さは生まれつきのものではありません。正しい練習をすれば必ず速くなります

運動会シーズン真っただ中。「足が速くないから…」という理由で、憂鬱な気分になっているお子さんをお持ちの親御さんも少なくないでしょう。しかし、足の速さは必ずしも生まれつきの能力だけで決まるものでありません。ちょっとした練習で、足を速くすることが可能なのです。サッカー日本代表であり、所属するベルギーのチームでは「閃光のように速い!」と称賛されている伊東純也さんが、親子でできる「足が速くなる2つの練習法」を紹介します。

「うちの子は足が遅いから…」と
諦めるのはもったいない!

 連日続いた猛暑も、ようやくひと段落。いよいよ秋の到来です。

 読書の秋、食欲の秋などと言いますが、私にとっての秋は断然、運動会のシーズン。

 私は子どものころ、運動会が大好きでした。運動会の花形といえば、クラス対抗リレー。かけっこが得意だった私は、いつもアンカーとして大活躍できたからです。大歓声を浴びながら、先行するライバルを鮮やかに抜き去り、いちばんでゴールする。いまでも、あのときの快感が甦ります。

 毎日が運動会だったらいいのに……。

 能天気にそう思っていた私とは正反対に、運動会なんかなくなればいいのに……と思っている子どもは少なくないようです。私は大人になって、そのことを知りました。

伊東純也伊東純也(いとう・じゅんや)
プロサッカー選手。AFCアジアカップ2019日本代表。1993年3月9日生まれ。神奈川県横須賀市浦賀出身。地元の鴨居SCでサッカーをはじめる。その後、横須賀シーガルズ、神奈川県立逗葉高等学校、神奈川大学を経て、ヴァンフォーレ甲府に入団。プロデビューは2015年3月14日、Jリーグ1stステージ第2節名古屋グランパス戦。2016年に柏レイソルへ移籍。翌2017年に日本代表に初選出。同年8月13日の第22節清水エスパルス戦では、70メートルもの距離を、快足を生かしたドリブルで独走し、ゴールをマーク。その年のJリーグ優秀選手賞を受賞した。2019年2月にベルギー・ジュピラー・プロ・リーグ、KRCヘンクに移籍。加入してすぐに、身体能力の高い外国人選手を置き去りにする、圧倒的なスピードで大活躍。「青い旋風が駆け抜けた!」「閃光のように速い!」と、地元紙やファンから惜しみない賛辞が贈られている。

 運動会のリレーで抜かれて、仲間たちに迷惑をかける。不格好な走りを、仲間たちに笑われる。選抜選手に選ばれず、悔しい思いをする。

 かけっこは、あくまでもその子の人生の一部分。仮に足が遅くても、勉強や音楽、美術といったほかの分野でがんばればいい。私は以前、そんなふうに考えていました。

 しかし、事はそう簡単ではないようです。というのも足が遅いというコンプレックスから、すべてに対して自信が持てなくなってしまう、引っ込み思案になってしまう子どもが、とても多いというのです。

 また近年では、お受験に「運動試験」を取り入れる小学校や中学校が出てきました。試験の中でかけっこや体操を行う学校もあるそうですが、必ずしも速く走らなければいけない、美しく体操できなければいけない、というわけではないようです。ただ、そうはいっても走ることが苦手なよりは、得意なほうがいいでしょう。

 かけっこについて考えていて、私はあるとき気づきました。

 かけっこが苦手で、すべてに消極的になってしまう子どもが多いということは、かけっこで自信がつけば、すべてに対して積極的になれるはずだ――。

 かけっこについて、世間で大きく誤解されていることがあります。それは足の速さ(遅さ)は生まれつきのものだ、ということです。

「私が遅いから、子どもが遅いのも無理はないですよ」とあきらめているお父さん、お母さんさんも非常に多い。

 そんなふうにあきらめてしまっている子どもたちやお父さん、お母さんに、私は声を大にして伝えたい。それは「かけっこは正しい方法で練習をすれば、短期間で確実に結果が出る」ということです。

 そんな私の考えをまとめた拙書『子どもの足がどんどん速くなる』では私も幼いころにやった、足が速くなるメニューを数多く盛り込んでいます。そこで今回は、その中から抜粋した足が速くなる練習メニューを2つ厳選して紹介します。

家でもできる!超簡単!
足が速くなる2つの練習メニュー

(1)おやじドーン

 目の前の相手から適切な距離(4足分)を取り、頭と上体から前に倒れていく。その勢いで2、3歩、相手を押していく。

 これはスタートの感覚を身につけるために有効なメニューです。

「よーい」の掛け声とともに上体を倒していくと、「ドン!」で最初の一歩が自然に踏み出すことができて、加速がつきます。これができるだけで、タイムは大幅に向上するはずです。

 親子でやるとスキンシップになりますし、相手がいなければ壁や電柱を相手にやってみてもいいでしょう。

おやじドーン

(2)ひじパンチ

 真後ろに両親やお友達に立ってもらい、その手に素早くひじを打ちつける。これだけ。

 かけっこが苦手な子どもは、腕がしっかり振れていないことが少なくありません。腕を太鼓をたたくように上下に振っていたり、大きく横に振っていたり、もしくは腕の動きが遅かったり。こういうフォームでは、なかなかスピードは出ません。

 適度に脇をしめて、素早く後ろに打ちつける意識で腕を振ると、確実に推進力は増します。これも「おやじドーン」と同じで、いつでもどこでも1人でもできます。ちなみに手の平は開いているより、軽く握るほうがスピードは出やすいですよ。

ひじパンチ

 わずか2つですが、とっておきのメニューをご紹介しました。どうですか? どちらもとっても簡単ですよね。

 足を速くするというと、血のにじむような努力が必要なように思われるかもしれません。しかし、そんなことはないのです。前述したように、正しいメニューを少しやるだけで結果は出ます。とりわけ、かけっこが苦手な子ほど結果は出やすいといえます。

 秋が来て「運動会、いやだなあ……」と思っている子どもたちと、そのご家族にぜひ実践してほしいと思っています。

 たかがかけっこ、されどかけっこ。

「最下位を脱出できた!」
「リレーで抜かれなかった!」
「クラスメートにほめてもらえた!」

 かならずしも一等賞を取る必要はありません。昨日までの自分より速くなる。これだけで、子どもは変わります。

「ぼくも、私も、やればできる!」

 苦手なかけっこでつかんだ自信は、その子の人生を大きく変えます。引っ込み思案だった子どもが、勉強でもスポーツでも対人関係でも、すべてに積極的になって、どんどん世界を広げていく。私は、そんな子どもを何人も知っています。

 そして何より私自身、足が速くなったおかげで、海外移籍ができ、夢だった日本代表にも選出されたのですから。

 そう、かけっこひとつで人生は大きく変えられるのです。

(プロサッカー選手 伊東純也)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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