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NEC PCとマカフィーが考えるこれまでのパソコン、これからのパソコン

2019年09月11日 11時00分更新

文● 藤原達矢(アヴァンギャルド)

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 日本電気株式会社(NEC)が、国内初のパソコン「PC-8001」を1979年に送り出してから丸40年を迎えた。8月には、生誕40周年を記念した特別仕様のモバイルノート「LAVIE Pro Mobile PM750/NAA」を発表。PC-8001の外観や機能を再現し、実際にプログラミングも可能なミニチュア復刻機「PasocomMini PC-8001」も、購入者向けに提供する。

 一方、PC-8001から歴史を積み重ねる中で、パソコンを取り巻く環境は変化した。常時インターネットに接続できるようになり、パソコンに近い機能を持ち、クラウドを経由して同じサービスを利用できるデバイスの種類が爆発的に増えている。これは、パソコン自体の用途の変化を促し、セキュリティへのニーズの多様化にもつながっている。

 この記事では、NECパーソナルコンピュータ(NECPC) 商品企画本部 商品企画グループ 部長の森部浩至氏と同グループマネージャーの永井健司氏、マカフィーのコンシューママーケティング本部 執行役員 本部長の青木大知氏の3人に取材した。彼らは、この40年における業界の変化をどのように捉えているのか。また次の40年に向けて求められるパソコンやセキュリティのあり方はどうあるべきか。語っていただいた。

40年の歴史を経て、パソコンはゼロUIの時代へ

── 1979年にPC-8001が登場してから40年が経ちました。この期間は、日本におけるパソコンの歴史そのものでもあります。最初にPC-8001登場から現在までの40年を振り返っていただけますか。

NEC PC 商品企画本部 商品企画グループ 部長の森部浩至氏

森部 日本では、PC-8001の登場を機に「パーソナル・コンピュータ」という概念が浸透していったと思います。当初のパソコンはコマンドラインベース(CUI)で、キーボードを使って操作していました。主な用途は、プログラミングや表計算などです。この時期を便宜的に「PC 1.0」と表現すれば、PC 2.0は、爆発的に普及したWindows 95以降になると思います。PCがインターネットに接続し、マウスを使ったグラフィカルベースのUI(GUI)が主流になりました。さらに、Windows Vistaの登場前後から、タッチ操作に対応したパソコンも増えてきました。結果として、コミュニケーションやマルチメディアなど、パソコンの用途が広がりました。

── 最近では、AIやIoTの登場によりパソコン周辺のデバイスとどのように連携を取るかも問われています。この先、パソコンはどのように発展していくと思いますか。

森部 パソコンはあくまでツールです。しかし、今後は日常生活における重要性がより増して、ライフスタイルやワークスタイル全般をサポートしていくようになると思います。声や目線で操作する「ナチュラルユーザーインターフェース」(NUI)のように、手を使わずに操作するシーンが増えていきますし、究極的には、人の嗜好や行動パターンに合わせて操作をしなくても自動で動く「ゼロUI」になっていくと考えられます。

 これをわれわれはPC 3.0と定義し、2020年以降、パソコンとユーザーのかかわり方が変わる新しいフェーズが訪れると考えています。

── NEC PCはPC3.0の時代に向けてどのように動いているのでしょうか。

森部 お客様のニーズに合わせ、現在3つのカテゴリーにフォーカスした商品を提供しています。ひとつは個人でも仕事を中心に使う方を想定した「プロ」です。また、プログラミング教育なども追い風になっていますが、12年間ある小学校から高校生までの期間にいる「K12世代」に向け、教育改革をサポートする「エデュケーション」。そして、インターネットに接続できる家電やスマートスピーカーなどとも連携し、ライフスタイルをサポートする「ホーム」です。これらに加えて4番目の分野として注目しているのが「ゲーミング」です。ここは世界的に伸びている領域で、NEC PCとしてもしっかりアプローチをしていきたいと思っています。

── 4つの軸があるわけですね。

森部 これら4つのカテゴリーは、パソコン市場が落ち着いている中でも、間違いなく伸びていくと言われている分野で、すべて重要です。ただ、今の時点で最もニーズが顕在化しているのは「プロ」で、モバイルパソコンを中心に個人・法人合わせて年間20万台以上伸びています。弊社に限らず今後各社が積極的にアプローチをしていくはずです。

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