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トマトは生よりジュースで!夏野菜の意外な効果と食べ方

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夏野菜
Photo:PIXTA

お盆明けを迎えても、連日の暑さに疲れ体調を崩しやすい時期でもあるだろう。そうならないためには、食べ物からしっかり栄養を摂ることも大切だ。近年、食品栄養学の進歩は目覚ましく、今まで知られていなかった新しい有効成分や効果的な食べ方が明らかにされている。そこで今回は、『毎日の健康効果が変わる!食べ物の栄養便利帳』(青春出版社)から、旬の夏野菜に含まれる意外な有効成分や体に効く摂り方を紹介する。

トウモロコシは紫外線から目を守ってくれる夏の味方!

 トウモロコシは世界三大穀物のひとつだが、日本では夏を代表する作物のひとつ。太陽がギラギラ照りつける季節、このトウモロコシをよく食べるのはとても理にかなっている。なぜなら、強い紫外線から目を守ってくれる働きがあるからだ。

 有効なのはゼアキサンチンという成分。黄色や赤色などの天然色素のグループであるカロテノイドの一種で、体内に入ると、網膜の中心部にある黄斑で働いてくれる。強力な抗酸化作用があり、紫外線やブルーライトなどの有害な光を吸収。加齢が原因となる黄斑変性症の予防効果も確認されており、目の健康を保つのに欠かせない成分だ。

 ゼアキサンチンと同じような効果は、ルテインというカロテノイドにもある。こちらはケールやホウレンソウ、ブロッコリーといった緑黄色野菜に多く含まれているので覚えておくとよいだろう。

“世界で最も栄養のない野菜”キュウリの真実とは

 野菜のなかでもキュウリには栄養がなく、食べてもほとんど水分補給にしかならない。何しろ、キュウリはあのギネスブックに「世界で最も栄養のない野菜」として載っているのだから…。こう思っている人は、大きなカン違いをしている。

 キュウリは確かにギネスブックに掲載されたことがあるが、その「世界一」は栄養に関してではない。「世界で最もカロリーの少ない野菜」として認定されたのだ。カロリーが少ない分、たいしたエネルギー源にはならないが、もちろん食べる価値はある。特に豊富に含まれているのはカリウム。利尿作用によって体を冷やしてくれるので、まさしく夏の野菜といえる。

 ビタミンCや食物繊維についても、100g当たりに含まれる量はトマトとほとんど同じ。熱い時期には水分補給も兼ねて、たびたび食べるようにしたいものだ。

トマトは生で食べるよりトマトジュースで栄養が摂れる!

 トマトが赤いのは、強力な抗酸化作用を持つカロテノイドのリコピンがたっぷり含まれているからだ。このリコピンを効率良く摂取するには、どのように食べるのがいいのか。

 最も一般的なトマトの食べ方といえば、サラダで生食だろう。しかし、リコピンは丈夫な細胞壁の内側にある。歯で噛むだけでは細胞壁は壊れにくいので、生食をした場合のリコピン吸収率はそれほど高くない。

 リコピンを効率良く吸収するためには、リコピンを守る細胞壁を壊す必要がある。効果的な方法のひとつは、熱を加えることだ。ことこと煮込んだスープやシチューの野菜は、とてもやわらかくなる。トマトを加熱してもこうした状態になるので、リコピンの吸収率はぐっと高まる。

 もうひとつ、物理的な力を加えて細胞壁を壊してしまうのも、リコピンの吸収率を高めるための有効な手段だ。具体的にはミキサーにかけて粉砕したり、すりつぶしたりする方法がある。

 こうしたリコピンの性質から、手軽な摂取方法として、市販のトマトジュースをおすすめしたい。じつは製造工程で細かく刻まれ、さらに加熱もされているので、リコピン吸収率は生食の約3.8倍も高いのだ。

 リコピンは脂溶性なので、ジュースにオリーブ油をたらして飲むと、吸収率は一層アップする。電子レンジで加熱してホットジュースにしてもいいだろう。

緑ピーマンより食べやすい!赤ピーマンの驚きの栄養効果

 独特の苦みと臭みがあることから、ピーマンは好き嫌いの分かれる野菜。特に子どもにはあまり好かれていないようだ。しかし、嫌いな子どもに無理やり、クセのある緑色のピーマンを食べさせる必要はない。苦みや臭みがなくて食べやすく、しかも緑ピーマンよりも栄養価の高い赤ピーマンを食卓に出すようにしよう。

 スーパーの食品売場には、緑ピーマンが数多く並んでおり、赤ピーマンは少数派としてちょっとだけ加わっている。見た目の色はまるで違うが、このふたつはどちらも同じピーマンだ。

 緑ピーマンはまだ実が熟していない状態のもの。収穫しないで、そのまま畑においておけば、次第に緑色から赤色に変わっていき、完全に熟したら真っ赤になる。緑色から真っ赤になるまでひと月以上かかるので、まだ未熟果のうちに出荷したほうが効率がいいこともあり、緑ピーマンがはるかに多く流通している。

 緑ピーマンと赤ピーマンを比べると、栄養価が随分違う。ピーマンはもともと、ビタミンCが多い野菜として知られており、緑ピーマンには100g当たり76mgが含まれている。これだけでも野菜のなかでトップクラスなのに、赤ピーマンはさらに100mg近くも多い。ビタミンCの1日の摂取推奨量は100mgなので、赤ピーマンをたった1個食べるだけで、十分満たせることになる。

 β-カロテンやビタミンEなどについても、赤ピーマンには緑ピーマンよりも多く含まれている。加えて、赤ピーマンの真っ赤な色素は、カロテノイドの一種であるカプサイシン。β-カロテンよりも強い抗酸化作用があり、生活習慣病予防やアンチエイジング効果が大いに期待できる。

 一方で、赤ピーマンには緑ピーマンに劣っている点もある。香り成分の硫化アリルが失われているので、血液サラサラ効果を得られないことだ。とはいえ、トータルで考えたら、非常に栄養価が高い。赤ピーマンを野菜売場で見つけたら、すぐにカゴに入れることをオススメする。

 こういった食べ物に関する知識や調理方法は日々新たな発見が進んでいる。昔の食べ方や調理法にこだわらず、食べ物の知識をアップグレードしていくことで、より健康を保つことができるだろう。まずは、猛暑を乗り切るためにも今回紹介した夏野菜を効果的に摂ってみてはいかがだろうか。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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