米FacebookのAR/VR研究部門が、ARグラス用のブレインスキャニング技術を開発していることが明らかになった。同社の公式ブログによれば、最終的には同技術を活用した入力デバイスの完成を目的としているとのこと。
同社のブレインスキャニングに関する開発プログラム「Brain-Computer Interface(BCI)program」は、2017年度のF8でその存在が公表された。同プログラムは、神経科学の博士号を持ち、過去にアメリカのジョンズ・ホプキンス大学で神経科学部の准教授を務めていたMark Chevillet氏がディレクターを担当している。
現在、一般向けARグラスの販売に関してボトルネックとなっているのは「入力方法」。VRのようなハンドコントローラーによる操作は、屋外で使用することが想定されたARグラスにはマッチせず、音声入力による操作もプライバシー面に課題が残る。それらの問題を解決すると期待されているのが、BCIによる入力である。BCIを利用することでユーザーは頭の中で必要なことを考えるだけで入力が可能となる。
BCIの実現には、複数の新技術開発と技術的ブレイクスルーの達成が必要となる。BCIプログラムのメンバーは、ワシントン大学とジョンズ・ホプキンス大学と提携する形で、近赤外線イメージングの研究を行なっている。
2019年7月現在、Facebookは近赤外線イメージングを活用したプロトタイプデバイスを制作している。同社によれば現在の完成度はそれほど高くないものの、アイトラッキング技術などを組み合わせることで、将来的に実用可能な入力方法とすることを目指しているとしている。