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最大手キヤノンですらピンチ!デジカメ市場に吹く「大逆風」

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キヤノン
Photo by Masataka Tsuchimoto

カメラ最大手のキヤノンが7月24日、通期業績の下方修正をした。中国の景気減速でデジカメ事業が予想以上に振るわなかったことが主要因。中国は米国と共にデジカメの巨大市場で、他のデジカメメーカーも影響を受けているもようだ。(ダイヤモンド編集部 土本匡孝)

 弱り目に祟り目。デジタルカメラ市場を取り巻く厳しい状況は、こう言わざるを得ない。

 カメラ最大手のキヤノンは24日、第2四半期決算を発表し、2019年12月期の通期業績予想を売上高は1050億円引き下げ3兆7450億円、営業利益を590億円引き下げ2150億円とした。

 下方修正は今期第1四半期決算に続いて2回目で、田中稔三副社長兼CFO(最高財務責任者)は「(原因の)半分ぐらいはカメラ関係。カメラを取り巻く環境は非常に厳しい」と苦渋の表情を浮かべた。

 スマートフォン付属カメラの高機能化に押されてデジカメ市場自体が縮小しているのに加えて、中国の景気減速が痛手となった。

 キヤノンはレンズ交換式デジカメで、中国でトップの販売シェアを握る。またカメラ映像機器工業会(CIPA)のキヤノンを含む加盟社全体の地域別シェアデータによると、中国のシェアは出荷台数で10.5%、金額ベースで17.3%を占めており(18年5月時点)、米国と共にデジカメの大市場だ。だが景気減速により嗜好品であるカメラから市民は離れつつあるようで、キヤノンなどデジカメメーカーの業績を直撃した。

 デジカメのテコ入れに向け、キヤノンも手をこまねいているわけではない。18年秋以降に相次いで市場投入したフルサイズミラーレスの新製品効果を高めるため、下期に5モデルの新レンズを市場投入し、カメラ本体の売り上げの下支えを図る。

 デジカメ事業を含むイメージングシステム分野の売上高は上期までで対前年同期比18.5%減だった。通期ではなんとか同10.9%減まで持ち直す計画だ。

銀塩カメラに負けていた
デジカメ黎明期まで落ち込むペース

 最大手のキヤノンですらこの状況であり、デジカメ市場自体が岐路に立たされている。

 スマホに押されて、デジカメ市場は10年をピークに縮小の一途――。もはや定番の脅し文句に、業界関係者は「何を今更」という感覚だろう。

 だがスマホに加えて中国景気減速という新たな脅威の出現で、「このままの水準で推移すれば、19年は銀塩カメラにデジカメが負けていた時代まで戻る」と聞けば、関係者の顔は真っ青になるかもしれない。

 CIPAのデジカメ出荷数量月間推移の最新データによると、19年1~5月の出荷数量は約606万台で、対前年同期比24%減。このままのペースでいけば年間出荷数量は約1468万台で、これは銀塩カメラがデジカメに主役の座を奪われる直前の01年(銀塩カメラ2760万台、デジカメ1475万台)の水準まで縮小することを意味する。

 市場調査会社BCNの道越一郎アナリストは「さすがに底を打つのでは」と見ており、デジカメ業界の巻き返しに関し、「トレンドの芽は出て来ている」と指摘する。キーワードは、素人が付いていけないほど高級・重厚路線が進んだデジカメとは一線を画する、「安価・小型デジカメ」だ。

 例えば、キヤノンが開発中のアウトドア用小型カメラ「IVY REC」。バッグなどにクリップ風にぶら下げることができるのが特徴。悪天候などで「スマホを出すほどではない」時に、気軽に撮影でき、「いわばスマホのアンチテーゼ。保守的なキヤノンだが、止まらぬデジカメ市場縮小で遂にお尻に火が付いたのでは」と道越アナリストは言う。

 とはいえ、足下はデジカメに大逆風。大手のニコン、富士フイルムホールディングス、オリンパスなどの第1四半期決算発表はこれからだ。デジカメ事業比率、中国売上高比率が大きいメーカーを中心に、下方修正の嵐が吹き荒れるかもしれない。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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