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40代で仕事ができない人に欠けている「能力以外」のこと

2019年07月31日 06時00分更新

文● 中谷彰宏(ダイヤモンド・オンライン

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写真はイメージです Photo:PIXTA

40歳を過ぎると、転職や再雇用を意識する方が増えてきます。では、社内外から“求められる”とはどんな人でしょうか。実は、40歳を過ぎて求められるのは「能力」よりも「信用」。日々の小さな習慣の積み重ねが、その人の「信用」となっていくのです。そこで今回は、『いくつになっても「求められる人」の小さな習慣』(青春出版社)から、ビジネスにおいて周囲の人から“信用”されるための習慣を紹介します。

「上司のストレスを減らすこと」を意識できているか

 まず、部下の一番大切な仕事は、上司のストレスを取り除くことです。たとえば、スポーツ選手でも、どんなに頑張っていても監督のストレスを生んでいるようでは失格です。

 これは仕事も恋愛も同じです。つきあい始めは、ドキドキして若干ストレスがかかるぐらいの相手に魅かれます。さらに、男性なら美人の女性、女性ならカッコいい男性を求めます。ただし、長くつきあうなら、ストレスのかからないタイプのほうがいいのです。

「あの人はさほど美人でもカッコよくもないのに、なんであんな素敵な人とつきあえるのだろう」と思われている人がいます。その人は、一緒にいるとホッとできる人だからです。相手のストレスを取り除くことが「信用」となっているのです。「信用」というのは、借りたお金をきちんと返すというようなことだけではありません。その人といると癒されるというのが、一番の信用なのです。

 仕事の面でいうと、部下には次の2通りのタイプがいます。

(1)上司のストレスを減らすタイプ
(2)上司のストレスを増やすタイプ

 上司のストレスを生むか、上司のストレスの防波堤になるかの境目は、その人の日々の習慣です。部下は、どうして上司がイライラしているのかわからず、つい「自分の仕事の仕方がよくないからだ」と考えて、「頑張って仕事をしよう」と時には真逆の方向へ向かってしまいがちですが、これでは上司のストレスは取り除けません。

 また、サービス業の仕事は、お客様のストレスを取り除くことです。お店に行列ができていると、少しでも早くさばこうとして、後ろで並んでいるお客様のフォローに行かなくなります。なぜなら、「そんなことをしている間に、1人でも早く片づけたほうがいい」と考えるからです。しかし、これは間違いなのです。お客様は、お店の人に「すみません、次にやりますから」と言ってもらえると安心します。商品が来なくても、列が前に進まなくても、そのひと言で「きちんと気を配ってくれているんだな」と思えるのです。同様に、原稿などの締切りに関しても、「今はこんな状況ですから、○日後になります」という連絡があると、ホッとします。

「連絡するヒマがあったら、締切りギリギリまで頑張る」というのは仕事をする側の論理で、実は相手にストレスを与えているのです。それはお客様に対しても、上司にも対しても同じです。「私はこんなに一生懸命に仕事をしています」と思い込んでいると、上司のストレスを取り除くことにまで意識が向かないのです。

自分が休みの日でも、仕事がまわるようにできているか

 また、仕事における「信用」で大切なのは、自分が休みの日でも、仕事がまわるようにしておくことです。しかし、「仕事ができる」と人に思われたい人は、逆のことをしています。自分がいないと、ひとつも仕事がまわらない状況にわざとするのです。

 なぜなら、求められない人は、自分がいなくても仕事がまわることに、喪失感を感じるからです。本当に仕事ができる人なら、自分がいなくてもまわる仕組みをつくり上げ、普段から「自分がいない時はこうしてね」と、社内の人にきちんと伝えているのです。

 こういったやり取りがきちんと行われず、「○○さんが休んでいるので、わかりません」という状態は、会社にとって損失です。その状況を、求められない人は「ほらね。私がいないと困るでしょ」と、アピールするのです。しかし、こういうタイプの人は会社からは信用されません。

 また、辞める時に、引継ぎを何もしないで辞めてしまう人もいます。「退職することになりました」と言った後に、次の担当が誰なのか、連絡が何も来ないのです。一方、コツコツきちんと引継ぎをしている人は、次の会社に行ってもまた一緒に仕事をしたくなりますが、何の引継ぎもしない人は、次に一緒に仕事をしたいとは思いません。

 このように、信用を落とすような習慣をしてしまっていると、本人だけではなく会社全体がマイナスになってしまいます。退職後も「一緒に働きたい」と思ってもらうためにも、引き継ぎを疎かにしないことが重要です。

「仕事を増やしたくない…」なんて思っていないか

 上司の仕事は、売上げを伸ばすことです。“求められない人”は、売上げを伸ばすのは若い現場のスタッフの仕事だと思い込んでいます。部下のお尻を叩くことが自分の仕事だと思っているのです。

 20代は頑張って売上げを伸ばそうとしますが、40代になるとそこに管理の仕事が加わります。自分ではミスをしたくないし、机に座って企画書にケチをつけていればいいだけの仕事になっていきます。そのわりには給料が高いのです。

 本来、給料が高ければ高いほど、売上げを伸ばす仕事をするべきです。どんな年齢になっても、机にへばりついていてはどこからも求められません。企画を考え、人に会いに行って、新しいことをやり続けていく人が、いくつになっても“求められる人”なのです。

 しかし、役職が上がると、「そんなことをするのは現場のヤツらだ。それをジャッジするのが自分」という勘違いが始まるのです。その理由の1つは、自分が失敗したくないからです。チャレンジをすれば、何かしら失敗は起こるので、チャレンジして自分のキャリアに傷をつけたくないのです。たしかにチャレンジしなければ失敗はしないかもしれませんが、それが「信用」にはつながるわけではありません。

 もう1つの理由は、自分の仕事を増やしたくないからです。年齢が上がると、だんだん体力が落ちてきて行動力がなくなります。「昔のようなめんどうなことはしたくない」「仕事が増えないほうが私はラク」「会社の売上げが伸びようが伸びまいが、給料は変わらない」という意識が勝ってしまい、見えない形で仕事を放棄しようとするのです。

 仕事が来なくても、「不況だから」「少子化だから」「デフレだから」と言いわけして、ただ待っているだけでは、そのままどこからも誰からも“求められない人”になってしまうでしょう。そうならないためにも、「仕事を増やさない」をやめる姿勢で仕事に向き合うと、上司や取引先の人からも信用を得ることができるでしょう。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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