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Oracle Cloud東京リージョン開設も背景、エンタープライズへのクラウド提案を強化へ

オラクルが「DX推進室」設立、データドリブンなビジネス開発を支援

2019年07月30日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本オラクルは2019年7月29日、顧客企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援を目的とした新組織「Digital Transformation推進室」の立ち上げに伴う記者説明会を開催した。「Oracle Cloud」のIoTやブロックチェーン、AI/機械学習といった新興テクノロジーのクラウドサービスや日本国内へのデータセンター開設を背景に、エンタープライズ顧客を中心として「DXの着実な実現」と「データドリブンなビジネスの迅速な導入」を支援していく。

新設のDigital Transformation推進室が担う役割の概要

日本オラクル 執行役員 クラウド事業戦略統括の竹爪慎治氏

同社 クラウド事業戦略統括 Digital Transformation推進室長の七尾健太郎氏

「データドリブンイノベーション」実現のための専門家チームを構成

 Digital Transformation推進室(DX推進室)は、日本オラクルの新年度が始まった6月に新設された組織。クラウド担当執行役員の竹爪慎治氏は、顧客のDXを支援する組織は2年前のフランク・オーバーマイヤー社長就任時点から準備を進めてきたもので、主要顧客層であるエンタープライズにおけるDXの取り組みが本格化しつつあること、そしてOracle Cloudの日本データセンターが開設されたことをきっかけに、新年度から正式に推進室を立ち上げたと説明する。

 その役割は、顧客企業における「データドリブンイノベーション(データ主導型のイノベーション)」を実現すべく、データ活用のエキスパートによる支援を行う「データアナリシス」、顧客と一丸となって新領域に取り組む「共創」、アジャイル開発でアイデアを即座に形にする「プロトタイピング」などだ。さらに、海外のオラクルがDXの取り組みで蓄積してきた知見やユースケースを国内企業向けに“輸入”する「グローバルナレッジ活用」も実施していくという。

 竹爪氏は、Oracle Cloud東京リージョンのサービス提供開始に合わせて、エンタープライズ向けのクラウド専任営業部門も新設したことも明かした。顧客へのDX提案においては、この営業部門および中堅中小向けクラウド営業部門(Oracle Digital)をDX推進室がサポートしていくかたちで市場展開を進めていく。なお、DX推進室はデータサイエンティストなど専門知識を持つスペシャリスト10名規模でスタートしている。

東京リージョンの開設とDX推進室の設置を背景として、特にエンタープライズ顧客向けの市場展開を強化していく

 DX推進室長に就任した七尾健太郎氏は、日本オラクルのDX戦略として、「エンタープライズ」「共創・協業」「社会課題解決」「Emerging Technology(新興テクノロジー)」という4つの軸に基づいて顧客の変革をサポートしていく方針を示した。

 「既存のエンタープライズ顧客から、DXの取り組みにおいて『オラクルと何かできないか』とお声がけいただく機会が増えており、そうした声に応えていきたい。また『このクラウドサービスはどうですか』といった提案ではなく、プロジェクトの一員として社会課題の解決に取り組む中で『オラクルならばこれができます』と提案するかたちでうまくいった実績もあり、そうした関係性も積極的に構築していく」(七尾氏)

 社会課題解決を支援する取り組みでは、“島”が抱える共通課題の解決策を話し合う国際会議「石垣アイランダーサミット」、東京都港区の外国人住民向け行政サービス改善と区職員の働き方改革を諮る「多言語AIチャットボット」、業界横断型で製造現場のスマート化を目指す「Edgecross(エッジクロス)コンソーシアム」、北海道札幌市で展開されるクリエイティブコンベンション「NoMaps」などに参画している。

オラクルのDX戦略として特に注力する“4つの軸”を紹介

 なおオラクルでは、基幹業務システムをターゲットとする「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」「Oracle Autonomous Database Cloud」をベースとして、その環境上でブロックチェーンやIoT、アナリティクス、AI/機械学習、チャットボットといった新興テクノロジーのクラウドサービス群を提供している。竹爪氏は、エンタープライズ向け/クラウドネイティブ向けの両面性を持つ点が、Oracle Cloudの強みのひとつだと述べた。

 「(エンタープライズグレードの)Oracle Cloudならば、開発したサービスをスモールスタートする段階だけでなく、将来的にサービスが成長し、セキュリティ要件や性能要件が高まってきた段階にも対応できる。サービスが大きくなっても使い続けられるという強みがある」(竹爪氏)

エンタープライズグレードのOCIとAutonomous DBを基盤として新しいテクノロジーサービスを提供することで、将来的な成長段階にも耐えうるサービスを開発できるとアピール

オラクルの提案するDXは「現実路線」、実現性の高い手法で取り組む

 エンタープライズ市場では、複数のパブリッククラウドを適材適所で利用する「マルチクラウド化」の動きも活発化している。竹爪氏は、Oracle Cloudとして広範なサービスを取りそろえてはいるが、まずは既存の顧客環境に合わせたベストな組み合わせを考えるべきであり「オラクル1社で全部をやろうとは思っていない」と語る。そのうえでOracle Cloudとして最も注力し、獲得したい領域はやはりデータベース/データ管理周辺であると説明した。

 「企業の中でデータを持つ中心の部分、ここにオラクルの強みがあると考えているので、そこを軸として、連携すべき所は(他のクラウドベンダーとも)連携して、オラクルとして拡張すべき所は拡張していく」(竹爪氏)

 また企業におけるDXプロジェクトでは、POC(実証実験)を実施しただけで新たなビジネスにつながらず、そのまま終わってしまうケースもよく聞かれる。そうした壁をどう乗り越えていくのかという質問に対し、竹爪氏は、オラクルのDX支援は「わりと“現実路線”でやっている」と述べ、そうした問題が比較的起こりにくいという見解を示した。

 「ゼロベースでDXに取り組むと、POCを行って現実味がないことがわかり、そのまま終わってしまうようなことも起こりがちだ。一方で(エンタープライズ顧客が中心の)オラクルの場合は、すでに顧客の手元に何らかのデータやシステムがあるケースが多い。それらを活用/連携していく方針で考えると、取り組みのスタート時点でもある程度、そこから生まれるサービスが見えてくる。まずはこれを形にし、実現したら『次はこういうことがしたい』と拡張していく。ある意味では“つまらない”かもしれないが、実現性という意味ではかなり確実度が高い手法をとっている」(竹爪氏)

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