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Windows Info 第183回

Windows 10とAndroid/iPhone間の同期アプリの機能を見る

2019年07月28日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII編集部

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 Windows 10の機能の1つにスマートフォンとの連携機能がある。Windows10 Mobileの普及を断念したあと、マイクロソフトは、Android/iOS用のアプリを拡充し、そのソフトウェアの一部がWindowsと連携できるようになっている。

 また、EdgeやCortanaといったWindows 10標準アプリケーションやOfficeなどのMicrosoftアプリケーションもAndroid/iOSに移植され、これらを使っての連携も可能だ。また、Windows Timelineに関しては、Microsft Launcher(Android)、PCで続行(iOS)といったアプリを使うことでやはり連携できる。計画上は、クリップボード履歴にも対応する予定だったが、今のところスマートフォンとの間では実現していない。

Windows 10に搭載されている「スマホ同期アプリ」
Android/iPhoneとの間でさまざまな機能を同期できる

 Windows 10に搭載されている「スマホ同期アプリ」(英語名 Your Phone App)は、AndroidとWindows 10を連携させるアプリケーションだ。

スマホ同期アプリは、Windows 10とAndroidスマートフォン(Android 7以上)を連携させるWindows 10標準アプリケーション

 当初は、画像の共有(フォト)やSMS(メッセージ)の閲覧のみだったが、Windows 10 Ver.1903(19H1)の時点では、SMSの送受信やスマートフォン側の通知を表示する機能(通知)が搭載されており、さらにプレビュー版(20H1、19H2)では、一部のスマートフォンの画面操作をするための「スマートフォンの画面」機能を搭載した。

Windows Insider Preview 20H1や19H2では、「スマートフォンの画面」機能が利用でき、スマートフォン画面をスマホ同期アプリ内に表示して操作などが可能になるという。対応スマートフォンが限定されており、動かすことはできなかった

 実際には、Ver.1903もプレビュー版も動作しているスマホ同期アプリのバージョンは同じで、Windowsのバージョンにより動作を切り替えているようだ。なお、このスマホ同期アプリを使うためには、Android側に「スマホ同期管理アプリ」をインストールする必要がある。また、iOS用は存在せず、スマホ同期アプリをiOS機器と組みあわせて使うことはできない。

 「フォト」は、スマートフォンのカメラ撮影画像などを最大25枚同期させる機能。

フォトは、スマートフォン側の写真最大25枚を同期し、PC側で利用可能にするもの。ここからドラッグ&ドロップなどで、Windowsアプリケーションに写真を渡すことができる

 スマホ同期アプリを介して、Windows 10側のアプリケーションが同期した画像を扱えるようになる。スマートフォンで撮った画像を転送操作などをしないで、すぐにPC側アプリで利用できるようになるのは便利だが、そんなに機会はなさそうだ。

 たとえば、OfficeアプリであるWordにスマートフォンで撮影した写真を入れるなんて場合でも、スマートフォン側で作業が済んでしまう。保存先をOneDriveなどにしておけば、PCからも簡単にWord文書にアクセスできるので、特に転送などの処理も不要だ。使い道があるとすると、たとえば画像修正などの高度な作業などが考えられる。

 「メッセージ」は、SMSで頻繁にメッセージのやりとりがある場合には便利な機能だ。最近では、さまざまな認証処理にSMSが使われることもあり、スマートフォンのSMSをPCですぐにチェックできるのなら多少の使い道もある。また、設定すれば、PC側からSMSを送信することもできる。現在のWindows 10では、たとえLTEモデムを内蔵していても、メッセージの受信のみで送信はできない。SMSの利用が盛んなエリアでは便利な機能なのであろう。

メッセージでは、Windows側からスマートフォン側のSMS/MMSの送受信を可能にする

 なお、20H1のプレビュー版では、MMSにも対応している。MMSは、Multimedia Messaging Systemで、SMSを拡張して画像などを添付できるようにし、宛先にインターネットメールアドレスも利用できるようにしたもの。ソフトバンクモバイルのキャリアメール(S!メール)がMMSである。残念ながら、筆者はソフトバンクの契約を持っていないので、スマホ同期でS!メールが利用できるのかどうかは確認できなかった。

 また、「通知」は、最近になって搭載された機能だが、アプリを最新版にさえすれば、最新のWidnows 10 Ver.1903でなくても利用できる。これは、スマートフォン側の通知を「スマホ同期アプリ」で中継するもの。

通知では、スマートフォン側の通知をPC側でも受けとれるようになる

 Androidスマートフォンは、スマートウォッチ向けのWear OS用に通知を他のアプリで中継する機能を搭載している。「通知」は、これを利用したもので、Androidスマートフォンへの着信などをPC側で受けとることができる。

 こちらも、使いようによっては便利な機能ではあるが、誰にとっても便利なのかと聞かれると少し微妙なところがある。たとえば、電子メールなどは、PCでもスマートフォンでも同じものを受信できるし、カレンダーや連絡先も共有できる。多くのSNS系アプリもWindows 10側でアプリを動かしたり、ブラウザの通知機能を使えば、PCにも通知が来る。なかにはLINEのように複数デバイスでの同時利用ができないものもあり、こうしたアプリならば、PCに通知が来ると便利な場面もある。

 しかし、PCを使っているときに必ずしもスマートフォンを手放して遠くに置いているユーザーはそれほど多くないだろう。とすると、PCを使っている最中でもスマートフォンのバイブレーションなどでメッセージの着信を確認できることになる。実際、過去にAndroidのアプリで、PC側でも通知が受け取るというものがあったのだが、それほど流行らなかったし、筆者もちょっと使ってすぐに利用をやめてしまった。どちらかというと、PC側の通知をスマートフォンで受けとれるほうがありがたい。

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