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冷却性や使い勝手は申し分なし

7万円台でベースマシンにも! 拡張性も魅力のRyzen 5 3400GゲーミングPC

2019年07月23日 09時00分更新

文● 宮崎真一 編集●八尋/ASCII

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「SR-ar5-5253G/S5」

 ゲーミング向けパソコンというと高価なイメージを持つ人も多いと思うが、モデルによってはかなり安価でコストパフォーマンスが優れるものも存在する。パソコンショップ SEVENの「SR-ar5-5253G/S5」も、OSなしモデルが6万4584円、Windows 10 Homeが付いて7万5384円と非常にお買い得感の高いマシンである。では、SR-ar5-5253G/S5はどのようなゲーミングパソコンで、果たしてゲームは快適にプレーできるのかどうか、その詳細を見ていきたい。

広い内部空間でエアフローをしっかり確保
APUにはRyzen 5 3400Gを搭載

前面上部に各種インターフェースを配し、下半分はメッシュ構造の吸気孔となっている

ケース背面。DisplayPortが用意されていない点は残念だが、USBポートの数は非常に豊富だ

 SR-ar5-5253G/S5は、ケースにThermaltake製「Versa H26」を採用したミドルタワー型デスクトップパソコンだ。左側面が全面アクリルパネルになっており、内部の様子が見える仕様となっている。カラーリングは黒一色にまとめられており、かなり落ち着いた雰囲気だ。

 前面には最上部にUSB 3.0端子とUSB 2.0端子を2基ずつと、ヘッドフォン出力端子とマイク入力端子を装備。アクセスのしやすさはもちろんなのだが、マウスやキーボードにUSB 2.0を利用しつつ、USBメモリーなどにUSB 3.0を活用できる点はかなり使い勝手いい。また、最近では搭載しないマシンも多い中、本製品は光学ドライブを搭載している点に好感を覚える人もいるのではないだろうか。さらに、前面は下半分がメッシュになっており、内部に搭載された120㎜角ファンにより吸気が行われる構造だ。

稼働させると前面に装着されたケースファンが青色に点灯し、吸気孔からその光が漏れてくる点はなかなか雰囲気がよい

まだまだ需要がある光学ドライブも標準で搭載

 天板に目を移すと、こちらも一面メッシュ構造となっている。メッシュは磁石でケースに固定されており、簡単に取り外せるため、メッシュの掃除などメンテナンスも容易だ。ただし、天板に物を置くユーザーは、天板の吸気孔をふさいでしまうことになるので、置き過ぎには注意したい。

天板のメッシュは磁石で固定されているだけなので、簡単に取り外してメンテナンスが可能だ

 さて、内部はASRockのmicroATXマザーボード「B450M Pro4」を採用しているだけあって、かなり余裕のある作り。前面のファンから吸気したエアーは、背面の120㎜角のファンで排気され、エアフローはかなりしっかり確保されている。また、SR-ar5-5253G/S5はビデオカードを搭載しておらず、APUの「Ryzen 5 3400G」に統合されたグラフィックス機能を利用することになる。しかし、マザーボードにはPCI Express x16スロットが2本用意されているため、将来的にグラフィックスカードを装着して、3D描画性能の向上を図ることも可能だ。なお、Ryzen 5 3400Gの冷却には、AMD純正の「Wraith Spire」を採用。冷却性能と静音性に長けるAMDのWraithシリーズのクーラーで、高負荷時での動作音はかなり抑えられている。

 また、今回試用したマシンでは、システムメモリーにDDR4-2400に対応した16GBのモジュールが1枚搭載されていた。この点はデュアルチャネルアクセスを活かすことができず残念なのだが、BTOでは無料で8GB×2構成が選べるようになっているので、可能な限り変更しておきたいところだ。

 そのほか、ストレージには2TB HDDと480GB SSDを搭載。ゲーミング用途では容量的にまったく問題はない。システムドライブもSSD側なので、OSやアプリケーションの起動にストレスは感じない。内部の3.5/2.5インチ共ベイは2基用意され、2.5インチベイも3基備わっているため、拡張性の高さも申し分ない。もちろん、マザーボード上にはNVMe対応したM.2スロットも装備されている。

 電源ユニットは、標準構成では80PLUS Standardの認証を受けた定格出力350Wのものが搭載されているのだが、今回テストした試用機では、Silverstoneの80PLUS Bronze認証を取得したStrider Essentialシリーズの定格出力500Wものへと変更されていた。先ほど、ビデオカード追加のアップグレードが可能と述べたが、それを視野に入れるのであれば、電源ユニットは定格出力に余裕のあるものへと最初からBTOで変更しておくとよいだろう。ちなみに、Silverstone製500Wの電源ユニットに変更するための追加費用は、わずか1980円だ。

 なお、電源ユニットはケース下部のダクト構造の箇所に収まっているため、エアフローが干渉しない点は好評価だ。また、電源ユニットのファンが位置するケースの底面には吸気孔が設けられているのはもちろんのこと、防塵フィルターが装着されている。この防塵フィルタは取り外しが可能で、チリやホコリなどを簡単に除去することができる。

底面の電源ユニット用の吸気孔には防塵フィルターが取り付けられている

microATXのマザーボードを採用していることもあり、内部空間はかなり広めで、エアフローが前面から背面へとしっかり確保されている

底面に用意されているドライブベイは、右側面のパネルを外すことでアクセス可能だ

冷却性や使い勝手は申し分なし
拡張性の高さが魅力的

 エントリーモデルらしくゲーミング向けパソコンながらも最小限の構成に留めているSR-ar5-5253G/S5だが、拡張性が高く、アップグレードを視野に入れたベースマシンとして扱いやすいマシンに仕上がっている。さらに、冷却面や使い勝手なども申し分ない出来だ。ただ、ビデオカードを搭載していない点を、ゲーミング用途として不安視するユーザーも少ないないだろう。

 そこで次回は、SR-ar5-5253G/S5でどの程度ゲームが快適に動作するのか、実際にプレーして確かめたい。

試用機の主なスペック
機種名 SR-ar5-5253G/S5
CPU Ryzen 5 3400G
グラフィックス Radeon RX Vega 11 グラフィックス
メモリー 16GB
ストレージ 480GB SSD、2TB HDD
内蔵ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
通信規格 有線LAN(1000BASE-T)
インターフェース(前面) USB 3.0端子×2、USB 2.0端子×2、マイク入力端子、ヘッドフォン出力端子
インターフェース(背面) USB 3.1 Gen1端子×4、USB 2.0端子×2、ライン入力、ライン出力、マイク、PS/2端子、有線LAN端子、HDMI端子、DVI-D端子、ミニD-sub 15ピン
OS なし/Windows 10 Home(64bit)/Windows 10 Pro(64bit)、オプション

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