今回は、VRパズルゲーム「Tin Hearts」を紹介しよう。本作はテーブルの上を歩く小さな兵隊たちをゴールへと導いていくゲーム。プレイヤーは見下ろし視点で物理的に進路を変えたり、時には魔法のようなギミックを使ったりして歩く兵隊たちを手助けしていく。
ゲームは物静かな部屋から始まる。テーブルの上に置かれた箱を開けると、その中から小さな兵隊が次々と出てきてテクテクと歩き出す。この兵隊たちはまっすぐに歩く特性があり、何もしないでおくと、壁にぶつかって戻ってくるなど同じ場所を行ったり来たりする。直接兵隊をつかむことはできないので、身の回りにあるブロックを使って進行方向を変えよう。
ブロックで進行方向が変わったことにより、兵隊はテーブルの奥にある歯車の付いた箱に入っていく。箱の中には光るオーブが入っており、プレイヤーはオーブに触れることで新たな力を手に入れることができる。序盤はブロックの向きを変更しながらゴールへの道を作ることになる。
序盤に用意されているブロックは、マークと向きが合っていないと配置することができない。プレイヤーがもたもたしている間にも兵隊たちは行進を続けるため、気づいたら全く違う方向に歩いて行ったり、テーブルの上から落っこちてしまったりといったこともしばしばある。もしそうなってしまったら、兵隊たちが出てきた箱を閉じることでリスタートできる。また、時を操る力を使えば「早送り・巻き戻し・一時停止」といったこともできるようになる。時を止めることでじっくりとパズルを解くことができる。
本作のステージは徐々に広くなっていく。初めは1つのテーブルの上で完結しているが、中盤には左右を見まわしてゴールを探さなければいけないほどステージは拡大していく。本作のゲームプレイは実際に体を移動させてのプレイもできるが、ワープ移動が実装されているので座ったままでも遊ぶことができる。
ステージが進んでいくと、プレイヤーができるギミックも増えていき、風船を飛ばして遠くに運んだり、ドラムの向きを動かして兵隊たちが飛ぶ方向を調節したりといったことが可能になっていく。長い道のりになると「隊たちが無事にゴールにたどり着けるか」など、子を見守る親のような気持ちが湧いてくる。
部屋の中は全体が大きなおもちゃ箱のような雰囲気だ。おもちゃには温かみがあり、近づいて見てみると細部までこだわりが感じられる。テクテクと列をなして歩く兵隊たちを色々な角度から見てみるのも面白い。また、道中にはびっくり箱のお邪魔キャラクターが登場するのだが、なかなか動作が細かくできていて良かった。
本作は焦らずゆっくりとパズルを解くことができ、失敗しても素早く直前に戻ることができるのでパズル初心者にオススメできる。また、可愛らしい兵隊たちを見ながら遊べるので雰囲気も楽しみたいという方にもオススメだ。
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