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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第54回

アップル「iPadOS 13」戦略解説:

アップルはiPadでWindowsを打ち負かしたい

2019年06月18日 16時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●iPadOS 13でサポートする新たなこととは

 iPadOS 13に新たに追加される新機能を見ていくと、これまでiPhoneとの共通の体験を維持することが重視されるあまり、タブレットの大きな画面を生かせていなかった点から、iPadを解放する、という印象を受けます。

 たとえばマルチタスク。iPadはこれまでに、画面分割で複数のアプリを同時に開けましたが、パソコンではできている同じアプリの複数ファイルを開く使い方には対応していませんでした。iPadOSでは、この制限を取り払っています。

 また、アプリをスライドさせて一時的に利用する「スライドオーバー」機能も、1つのアプリをスライドさせるしかできませんでしたが、こちらも複数アプリのスライドオーバーに対応し、表示するアプリをiPhoneのマルチタスク機能のように切り替えることができます。

 iPadでメインの作業をしている画面の右側に、iPhoneアプリを複数開いて切り替えられるような体験になります。

 また、驚かされたのはApple Pencilです。これまで20msという遅延時間でこれも非常に早い部類でしたが、同じハードウェアのまま、9msのレイテンシにまで反応時間が高速化されました。

 開発者にはメモアプリのようなApple Pencil用のパレットをアプリ内に簡単に呼び出せる「PencilKit」というAPIが提供され、より多くのアプリがApple Pencil前提のアプリを作れるようになります。これは、最も価格の安いiPad(第6世代)をはじめとするすべてのラインアップがApple Pencil対応になったためと言えるでしょう。

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