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メンタリストDaiGoが語る、ニコニコチャンネルで課金ユーザーを集められた要因

2019年06月08日 09時00分更新

文● MOVIEW 清水、編集●ASCII編集部

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 ついに月額課金ユーザーが100万人を突破したニコニコチャンネル。2008年に企業などが生放送を配信できるプラットフォームとしてサービスを開始し、2013年には一般ユーザーも使えるユーザーチャンネルを開始。現在1400以上のチャンネルが稼働している。

 このニコニコチャンネルの最新動向や新機能についての発表会が5月28日に開催され、ドワンゴ 代表取締役社長の夏野 剛氏がニコニコチャンネルの沿革やこれからの展望などを語った。また後半には、月額有料会員数1位であるメンタリストのDaiGo氏が登壇し、夏野氏との対談でチャンネル運営の成功要因などについてのノウハウなどを披露した。

ドワンゴ 代表取締役社長 夏野剛氏とメンタリストDaiGo氏

上位100チャンネルは年間2000万円以上
トップ5は年間1億円以上を稼ぐ

 ニコニコチャンネルは当初コンテンツプロバイダーとコラボしてスタートし、その後さまざまな機能を増強して今日に至っている。YOSHIKIさんなど、アーティストのチャンネルのほか、スポーツ、言論、声優、ゲームなど多くのジャンルのチャンネルがあり、現在は1470チャンネルにまだ達している。

 ニコニコ動画でのプレミアム課金ユーザーが減少傾向なのは確かだが、ファンコミュニティーを中心としたニコニコチャンネルは成長を続けており、全体のアクセス数やユニークユーザー数は下がっていないと夏野氏は語る。

ネット上での存在感が落ちているのではなくビジネスモデルにする機能が弱っていると話す夏野氏

 ニコニコチャンネルとテレビとの決定的な違いは、掲示板や動画へのコメントといったコミュニティー機能によって、ファンクラブがネット上で組成されていくところ。従来の印刷物などによるファンコミュニティーに比べ、ニコニコのインターフェースを通したインタラクティブなコミュニケーションが、非常に強い支持を得ている。

 ニコニコチャンネルでは、ウェブサイトを作成する機能、動画配信・生放送配信、テキスト配信やメールマガジン送信機能、さらにイベントを作成し、入場料やオリジナルグッズを販売する課金機能など、ファンコミュニティーを運営するのに必要な機能がすべて盛り込まれている。

 これらを独自で作ろうとした場合、ウェブ、動画、メルマガそれぞれのシステムを構築し、さらにそれを統合する課金機能と管理が必要となり、コストも労力も膨大となる。その点、ニコニコチャンネルはそれらの機能を一体として提供しているプラットフォームであると、夏野氏はニコニコチャンネルの強みをアピールした。

ニコニコチャンネルにはファンコミュニティー運営に必要な機能がすべて揃っている

 ニコニコチャンネルは月額課金会員からの収入がビジネスとなるが、2008年にサービスを開始した後、2012年に1万人、2016年に50万人、2018年に70万人、そして今年4月25日には100万人を突破するに至った。特に2018年度は前年比5倍の成長となっており、2019年3月だけで30万人増加。課金額も2018年度だけで55億円を超えたとのことだ。

月額会員数の推移

 このようなサービスの特徴としては、ユーザー数上位のチャンネルの収入が高くなるが、月額会員数トップ100のチャンネルは平均運営年数5年間で1億円の収入、トップ5にいたっては平均運営年数4年半で4億円超の収入を得ており、平均すれば年間1億円の収入となっていることになる。

月額会員数トップ100のチャンネル。順位はわからないように五十音順に並べられている

 今後のサービスについては新機能としてギフト機能が追加される。これはいわゆる投げ銭で、ユーザーが放送主にプレゼントを贈る機能だ。また、放送主向けとしてチャンネルページの来訪者動向を分析できるマーケティングデータとツールが用意される。これまではどのような導線で入会にいたったかなどの分析ができなかったが、このツールによってユーザーに響いたコンテンツの把握などができるようになる。

新機能のギフトではユーザーが放送主にプレゼントを贈れる

マーケティングツールの提供で、より細かい入会促進が図れるように

ニコニコチャンネル月額課金会員数No.1
メンタリストDaiGoが語る成功ノウハウ

 トークセッションでは、ニコニコチャンネルの月額会員数1位の「メンタリストDaiGoの「心理分析してみた!」」を運営しているDaiGo氏が登場。夏野氏とともにニコニコチャンネルにおける成功事例、その方策などが紹介された。

メンタリストDaiGo氏

 DaiGo氏の運営方針は実にシンプル。ユーザーには月540円を支払ってもらっているので、540円以上の価値を提供すればいいというものだ。普段から日に10冊ほど本を読むというDaiGo氏は、読んだ本や論文の中からおもしろかったことをまとめたり、わかりやすく説明すれば、本10冊分の内容を540円で提供できると考えたとのこと。夏野氏はそこにDaiGo氏のセレクトという付加価値が加わるのも大きいと補足した。

メンタリストDaiGoの「心理分析してみた!」は累計6億円。4月だけで6000万円の課金額

 DaiGo氏は普段から物事を覚える際には歩きながらしゃべって集中力を高めるそうで、そのときに自分の前にスマホを置いているだけというスタンスだ。つまり放送するにあたってなんの労力も追加しておらず、だから料金設定を安くし、それ以上の価値を提供できるのでたくさんの人が集められるという。

 配信の頻度については試行錯誤したが、あまりに多いと退会者が増える傾向があるのだそうだ。DaiGo氏の分析では、月に20本の動画を配信すると、自分は7本しか見ないからもったいないと感じてしまうが、月に6本しか配信しないと逆に貴重に感じて見るという人間心理があるというわけだ。

 会員獲得についてはYouTubeからの流入が多い。YouTubeの会員が10万人増えたとき、ニコニコチャンネルは1万8000人増加、つまりコンバージョン率18%という高い数値となる。YouTubeは人数が多いので入口には最適で、その中でお金を払っても知りたいと思っている人を誘導するというのが、これからの個人の時代に最適な戦略と語る。YouTubeは広告収入のビジネスモデルであり、毎月上下動が激しかったり、突然広告を外されたりといったリスクがあるが、サブスクリプションビジネスであるニコニコチャンネルではそういった不安定な部分がないので、ユーチューバーの人はもっと活用すればいいと思うとした。

 一方の夏野氏は、携帯電話でサブスクリプションモデルのサービスを始めた際、コンテンツホルダーからコンテンツ1つ1つに価値があるのに、月額課金のような安売りはできないとすごく抵抗されたという経験を語った。

 しかし、1本で1000円、2000円といった金額は参入障壁が高すぎて試してみるユーザーがいない。都度課金のコンテンツでは、試していないゲームにお金を支払うといった決断をしなければならず、ダウンロードしてやってみたらつまらなかったということでは二度と購入しなくなる。月額300円で12ヵ月続けたら3600円になるといってコンテンツホルダーを口説いたという。

 結果的に、月額のサブスクリプションモデルでは翌月の収入が読め、年間の収入目標値の設定もできるので、もっといいコンテンツをたくさん出そうとか、長く使ってもらうための努力をするといったことにつながり、提供側にもユーザー側にもメリットがあるモデルになったという。

月額会員数No.1をたたえ、ニコニコ栄誉賞を授与

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