このページの本文へ

増殖する外来種の駆除に「海のルンバ」が大活躍

2019年06月05日 19時55分更新

文● Will Knight

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

潜水ロボット「ガーディアンLF1(Guardian LF1)」は、ミノカサゴを狩り、気絶させ、捕獲する。ミノカサゴは、大西洋で在来種の魚や甲殻類を脅かす外来種の肉食魚だ。

ガーディアンLF1は8機のスラスター(推進機)、オンボード・コンピューター、カメラ、電源のほか、一対の低電圧「気絶パネル(stunning panel)」と、捕獲した魚を入れておく容器も備えている。海上から有線で操作するが、自動操縦も可能で、ほかの種類の魚とミノカサゴを見分けられるコンピューター・ビジョン・システムを備えている。

ミノカサゴはインド太平洋に生息し、数十年前に米国沖に持ち込まれて以来、カリブ海、メキシコ湾へと生息域を広げた。天敵のいない環境で、 ミノカサゴは本来の生態系を破壊することで繁栄してきた。

ロボットの製造コストは1000ドル程度だが、開発者によれば、調子がよければ(食用販売ができると仮定して)1日あたり1500~2000ドル相当のミノカサゴが捕れるという。最新型では、スポーツ・ダイバーを超える約305メートルの潜水が可能だ。このロボットは、アイロボット(iRobot)の共同創業者であるコリン・アングル最高経営責任者(CEO)とその妻が創設した非営利団体「環境に仕えるロボット(RSE:Robots in Service of the Environment)」によって開発された。

ガーディアンLF1は、センサーや高度なアルゴリズムのコストがいかに下がってきているかを示すものだ。アングルCEOの経営するアイロボットはさまざまな家庭用ロボットの製造で成功を収めており、熟練のナビゲーターに進化したロボット掃除機「ルンバ」もその1つだ。初代機はのそのそと不器用に動き回っていたが、最新型のルンバは利用者の家の地図を作ることもできる。

カテゴリートップへ

アスキー・ビジネスセレクション

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

ピックアップ