■プログラミング教育のねらいは?
プログラミングがこれほど注目された理由のひとつが、2020年からの「小学校におけるプログラミング教育の必修化」にあります。 なぜ必修化になったのか。それは、2020年から「学習指導要領」が新しくなるからです。この「学習指導要領」とは、教科の内容や教育の目的を定めたもので、新学習指導要領にはプログラミング教育を学習活動して取り組むことが明記されているのです。
では、なぜ小学生がプログラミングを学ぶのか。文部科学省が公開している学習指導要領の解説を読むと、以下のように書かれています。
●小学校でのプログラミング教育の目的
小学校段階において学習活動としてプログラミングに取り組むねらいは,プログラミング言語を覚えたり,プログラミングの技能を習得したりといったことではなく,論理的思考力を育むとともに,プログラムの働きやよさ,情報社会がコンピュータをはじめとする情報技術によって支えられていることなどに気付き,身近な問題の解決に主体的に取り組む態度やコンピュータ等を上手に活用してよりよい社会を築いていこうとする態度などを育むこと,さらに,教科等で学ぶ知識及び技能等をより確実に身に付けさせることにある。
出典:文部科学省「【総則編】小学校学習指導要領解説」
ちょっとわかりにくいので簡単にまとめてみると、以下のようなことになります。
1. 論理的思考を身につける
2. 身近な問題の解決に自ら取り組む
3. 情報化社会においてコンピュータをうまく活用させる
4. 従来の教科の学習の助けにする
5. プログラミング技能を習得することが目的ではない
このうち、1の「論理的思考を身につける」ことは、「プログラミング的思考」とも呼ばれています。論理的思考はプログラミング以外でも身につきますし、すでに現在の学校教育でも導入されています。その上で、2020年から新たにプログラミング教育を授業の中に取り込んだのは「現代において身近にあるコンピュータの仕組みを知る」、「コンピュータに命令をあたえる順序立てた考え方が、論理的思考を育みやすい」という2点が大きな理由と言えます。
つまり、小学校の授業でプログラミング教育をするということはあくまで1~4の目的のために、コンピュータやプログラミングを活用するということなのです。
●理科にプログラミングを活用した例
▲6年生の理科で学ぶ「電気」。プログラミングを活用することで、子ども達の興味が深まります。
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