1970年代のユニークで飛び抜けた
デザインチャレンジを感じる造形
FUTURE FUNKは、デザインもなかなかユニークだ。地球規模で世界中を巻き込んだ大きな戦争から四半世紀が過ぎ、世界中の人達が大宇宙に興味を持ち、米ソが競争で宇宙ロケットを飛ばし、多くのデジタル表示腕時計の登場した1970年代のユニークで飛び抜けたデザインチャレンジを感じることができる。
FUTURE FUNKは、筆者の大好きなスペースエイジ・デザインにも通じるものがある。この時代の看板腕時計は、オメガスピードマスターにその座を明け渡すまでの間スペースエイジ腕時計の代表格だった、ゴールドカラーの“ブローバ アキュトロン”の印象が強く、FUTURE FUNKも個人的にはめったに買わないゴールドモデルを選択してしまった。
実は、筆者がぜひとも手に入れたい腕時計に、デジタル時計創成期に流行した“パタパタ時計”がある。残念ながら筆者の知る限り、その100%は置時計や壁掛け時計であった記憶しかない。スマートウオッチの動画ではなく、本当に“パタパタ”と時刻が変わる腕時計があれば、お金に糸目を付けず無理をしてでも買ってみたいと思っている。
過去、このコラムでもご紹介した“Devon Watch”もパタパタ構造ではないが、4枚のベルトで現在の“時・分・秒”を表すRotating Drum Systemにも似た、より複雑でユニークな腕時計だ。構造もメカもユニークかつ複雑過ぎていつもトラブルが絶えず、1年以上前に修理のために米国に渡ったきり、未だに帰ってこない。
FUTURE FUNKは時針、分針の代わりに安定した回転ドラムを複数使うだけのよりシンプルな構造であり、時刻表示もクォーツ腕時計なので正確だ(月差プラスマイナス30秒)。現在時刻の設定やモード選択、ドラムの表示位置ズレの修正などは、左右に合計4個あるボタンを操作して選択修正できる。
ボタン数は多いが、照明ボタンはどこにもないので暗闇ではまったく現在時刻はわからない。しかし、前述したDevon Watch同様、回転するドラムを友人に見せて“ドヤ顔”で自慢したい時に便利な“デモンストレーションモード”は抜け目なく備えられている。

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