太さの違う2種類のペンと大小2つのイレーザーで
鉛筆と紙のように磁性シートに自由に筆記できる
Kaiteの磁性シートに筆記する専用ペンは、ペンホルダーを兼ねた四角い“広範囲”イレーザーの丸穴に挿入して、Kaiteと一体にして持ち歩ける。軸部がアクリルで透明なペンの一方は、ペン先に三角形の透明ディスクが付属した細字(0.5~0.6mm)。反対側は“部分”イレーザー兼用の白いキャップを被った中字(0.8~0.9mm)の2種類だ。
ユーザーはこの多少太さの違う2種類のペンと大小2種類のイレーザーで、鉛筆と紙のように磁性シートに自由に筆記する。筆記感覚はWindowsやAndroid、iPadなどのタブレットよりはるかに“紙と鉛筆”に近い筆記感覚を再現できている。また、筆者の個人的感覚ではBoogieboardより優れ、ソニーのデジタルペーパーに迫るイメージだった。
軽量でほぼ“紙と鉛筆”に近い感覚、そしてB5サイズなら持ち歩きも快適だ。しかし、Kaiteで特に注意すべきことは、磁性シートの表面を固いものなどで傷つけないことだ。筆者はうっかり、大型のイレーザーを磁性シートの上に落下させてしまい、運悪くもっとも尖った部分を磁性シート表面にぶつけてしまった。その部分の表面が傷つき、常時黒いシミのようになり何をしても回復しない状態になってしまった。どうもこれは、磁性シートの中に封入されているマイクロカプセルの状態を良くない状況に変化させてしまったようだ。
ライトグレーの薄い磁性シートの内部には、直径100~300μmのマイクロカプセルが封入されており、さらにマイクロカプセルの中には、微細な鉄粉が数多く詰まっている。磁性シートの上を先端が磁石でできた筆記ペンでなぞると、マイクロカプセル内の黒くて微細な鉄粉がペン先の磁石に引きつけられて、表面側に移動する。その結果、表面から見ると微細な黒いドットが連続した筆跡となって見える仕組みだ。細かい多数のマイクロカプセルを磁性シートの中に配置することにより、従来より鮮明で滑らかな筆記線を表現することに成功している。
以上でご紹介したように、Kaiteは極めてシンプルな構造であるため、重量も軽量だ。筆者が自宅のキッチンスケールで実測したところ、A4サイズで実測241g、B5サイズで187gという、モバイル向きと言ってもまったく問題ないほど軽量だった。イレーザーはペンキャップに付属するものを使い、ペンホルダーと消しゴムを兼ねている大きなサイズの専用イレーザーを持ち歩かないつもりなら、あと37gほど軽量化できる。

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