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盛田 諒の「ほぼほぼ育児」 ― 第4回

寝かしつけがしんどいとき考えたこと

2019年04月26日 09時00分更新

文● 盛田 諒(Ryo Morita)

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 盛田 諒です。2歳児くんの保護者をやっています。毎朝保育室までの道すがら折々の花を目にします。桜が終わってツツジが開き、甘い香りに季節の移ろいを感じました。昨年同じ時期によちよち歩きの子を抱いて藤を見たのが遠い昔のことのようで、成長の早さが頼もしいやらこわいやらです。

 保育室に通いはじめてから何度も驚かされるのは「子どもってこんなに違うのか」ということです。

●うちの子寝ないんです

 2歳児くんはとても口が達者です。口から生まれたんじゃないかというほどおしゃべりでいつも何かしゃべっています。5秒と黙っていることがほとんどありません。好奇心も強く、面白そうなものを見つけるとすぐ「やってみたい」と手を出します。その割に注意力は強く、車の音が聞こえると「車来たよ」といって自分から道の端によけてくれます。食欲も非常に旺盛で、保育室の給食は毎食すべておかわりしているそうです。

 同じ年齢でも「しゃべらない」「食べない」ということで悩んでいる親御さんから関心されることがよくあります。ありがとうございます。さぞや手のかからない子だとお思いでしょう。それがあなた寝ないんですよ。

 夜20~21時ごろに寝かしつけをするのですがわたしがやっても妻がやっても全然寝ません。布団に入ると「これ読んで」と絵本を持ってきて、読み終わると「もっかい読んで」、電気を消すと「まだ遊ぶの」、「また明日遊ぼうね」となだめるとちょっとは静かになりますが、すぐに「ババーン」などと珍妙な発言をまじえてゴロゴロバタバタはじめてしまい、眠りにつくまで2時間以上ということもザラです。

 おかげで寝かしつけが終わったときは完全に疲れきり、そのまま寝てしまうこともよくあります。時間は大体22時を回っていて、「疲れた……」とうめきながらゾンビのようによろよろ翌日の支度をする、ナイト・オブ・ザ・リビングデッドな日常を送っています。家事育児的なことは夫婦で分担できますが疲労感はぬぐえません。

 ほかの親御さんから「ふとんに入って電気を消すと寝ます」と言われて、なんと手のかからない子だと思ったことも一度ではありませんでした。

●結局そういう子なのです

 「子ども寝ない原因」で検索したこともありますが結果はムダでした。

 「まだ遊びたい、昼寝が長い、寝る前に興奮している、日中の興奮が残っている」といった原因リストを見ては「全部かな」と死んだ目でうなずき、「部屋をうす暗くする、好きなものを寝室に置く、保護者が先に寝息を立てて寝たふりをする、背中をトントンする、足をあたためる、抱っこをして外を歩く」といった対策リストを見ては「全部やってます」と死んだ目でうなずいたものでした。

 そこで思ったのは、ようするにそういう子なのです。

 不思議なことにそう思うだけで気持ちは多少やわらぎます。世界にたった一人しかいないこの子が寝ない理由がインターネットに載っているわけがないと思えばいっそすがすがしい気分です。できるだけ規則正しい生活を送れるようにしたいという気持ちがある一方、そういう子なのだと受け入れて焦らずにやっていくしかないのではとも思いました。

 母親によればわたし自身は真逆で、寝すぎるほど寝る子でした。睡眠時間は12時間、「おもちゃで遊んでいたかと思ったら静かになって、どうしたかと思ったらソファの後ろで寝ちゃってたのよ」というくらい。食欲もあり、夜泣きもなく、おねしょもせず、人前では騒がず、放っておけばおとなしく一人で遊んでいるような、絵に描いたような手のかからない子でした。代わりにカイツブリのように姿をくらましてしまうくせがあり、心配をかけたところがあったと思います。

 わかりませんがこれからも色々な場面で「そういう子なのです」という言葉と生きていくことになりそうです。逆にそう思わないと解決しなければいけないという気持ちに追いこまれ、苦しい場面が出てくるように思います。「困ったねー」と言いながら一緒に暮らす方法を探し、なだめすかし、やりすごし、ダメならダメで助けを求め、どうにかこうにか日々をこなしていくうちに、それぞれの家族というものができていくのではないかなと思いました。

 みなさんおつかれさまです、うちの子寝ないんです。盛田 諒でした。





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