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英国政府、アダルトサイトに「成人確認」義務付けへ 7月から

2019年04月18日 20時18分更新

文● Charlotte Jee

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英国で7月に導入される新制度は、ポルノ・コンテンツを提供するWebサイトに対して、利用者が18歳以上であることを確認するよう求めている。だが、この制度は広く批判されており、何度も導入が延期されてきた。

新制度の導入により、英国内からポルノ・サイトにアクセスしたい人は自身の年齢を証明する必要がある。商業ポルノ・サイトには、英国からのアクセスに対して、パスポートやクレジットカード、運転免許証などの書類を使って年齢を確認することが義務付けられ、未成年の場合にはアクセスの禁止を命じる。デイバス1台につき6.5ドルで購入できる「ポルノ・パス」も店頭販売される予定だ。

新制度は、英国の映像審査機関である全英映像等級審査機構(BBFC)が監督する。現時点では、世界最大級のポルノ・ストリーミング企業であるマインドギーク(MindGeek)だけが新制度の認可を受けており、同社は複数のサイトにシングル・サインオンで利用できる「エイジID(AgeID)」を提供する。つまり、マインドギークに登録した利用者は、年齢を一度だけ証明すればいいわけだ。

2017年に可決されたデジタル経済法(Digital Economy Act)の一部である新制度の導入は、これまでに数回延期されている。当初計画では、2018年4月に始まる予定だった。

ポルノへの関心を持つすべての英国在住者のデータベースの作成を民間企業1社が担うことは、ハッカーや詐欺師のための巨大な「ハニーポット」に繋がる恐れがある。おまけに、新しいスキームが目論見通りにうまくいくかどうかも定かではない。安価かつ手軽に利用できるVPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)を使えば、国外からのアクセスを装うことも可能だ。さらに英国の調査会社ユーガブ(YouGov)が最近実施した調査によると、多くの英国在住者は新制度について聞いたことがないという。

この種の制度の導入は世界初の試みとなる。英国の政治家に制度の再考を求める声もあるものの、その可能性はなさそうだ。

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