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日立が「家電復活」かけ若手エース投入、アップル・グーグルとガチンコ勝負

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新会社の谷口社長
日立の家電事業を担う新会社の谷口社長は「生活データを他領域にも活用し、課題を解決する」と話す Photo by Hirobumi Senbongi

 日立製作所が家電事業のテコ入れに乗り出した。家電が使われる屋内だけでなく、自動車内でもデータ活用によるソリューションの提供を目指す。だが、目指す領域には米グーグルなどが待ち受けており、再建は簡単ではない。

 日立の家電事業はテレビの製造、販売から撤退するなどして、かつて1兆5000億円超あった売上高が5000億円まで縮小した。営業利益は4%台と低迷しており、いつ撤退や再編の対象になってもおかしくない状況だ。

 それでも家電事業を存続させてきたのは、家電から暮らしの情報を収集できるからだ。日立はデータの宝庫である冷蔵庫で国内シェアトップ、洗濯機、掃除機でパナソニックと国内首位を争う。こうした普及率の高さをあらゆるモノがネットにつながるIoT関連事業に生かせれば大きな商機となる。

 日立は4月1日、家電を設計、製造する子会社、日立アプライアンスと販売会社を統合し、日立グローバルライフソリューションズを立ち上げる。製販一体で機敏な商品開発を行うためだが、日立の本気度は組織再編よりむしろ家電事業のトップ人事に表れている。

 実は、新会社の社長に就く谷口潤氏も、日立アプライアンス社長を務めた德永俊昭氏も日立をけん引しているIT部門出身で、それぞれ46歳、50歳で家電事業のトップに抜てきされたエースなのだ。德永氏は新会社発足後、日立の執行役常務として同社の成長の核であるIoT事業を統括する。

家と自動車をつなぐ戦略

 だが、德永氏がトップを務めた2年余りでは、「IoT家電」といえる商品は一部の洗濯機などにとどまった。「IoT家電は売り切りモデルではなく、月額制にするなどビジネスモデルの転換が必要だが、それには時間がかかる」(日立幹部)のが現状のようだ。

 膠着状態を打開する切り札として日立が考えるのが、家電事業と自動車部品事業のシナジー発揮だ。日立の成長5分野には「ヒューマン・ライフ」や「モビリティー」などがあるが、実は、自動車部品事業はモビリティーではなく、家電事業と同じヒューマン・ライフに属する。

 家電と自動車から得たデータを同じプラットフォームで生かし、利便性向上や健康増進を実現しようとしているのだ。東原敏昭・日立社長は「屋内と移動空間をつなぐデータ活用は日立のIoTプラットフォームが担う」と話す。

 ただ、この分野は米アップルとグーグルがすでに市場を席巻している。それぞれ「Car Play」「Android Auto」というスマホと車載ディスプレーをつなぐアプリを投入済みなのだ。米アマゾンも人工知能で家と車のデータの垣根をなくそうとしている。

 日立が家電の事業転換を図るには、相当な差別化要因が必要になりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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