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婚活業界初「本物のAI」を導入、人柄まで見てマッチングする実力

文● 島野美穂(ダイヤモンド・オンライン

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婚活業界において、AIはどこまで発達しているのでしょうか?
単なる条件マッチングではない、人柄や価値観による相性を割り出す本格派のAIも登場している(写真はイメージです) Photo:PIXTA

近年、猫もしゃくしも人工知能と言わんばかりに、各方面で人工知能が大活躍だ。婚活業界も例外ではなく、スマホの婚活アプリにはAI搭載をうたったものが多い。一方でこうした婚活アプリが次々にサービスを終了させているのも実情だ。婚活業界において、人工知能はどこまで発達しているのか。業界で初めて、人工知能を導入したパートナーエージェントの平田恵さんと、人工知能エンジンの開発会社FRONTEOの池内敦司さんに話を聞いた。(清談社 島野美穂)

婚活業界で流行のAIだが
厳密にはAIではないものが多数

 AI搭載をうたった婚活アプリは、出てきては消え、を繰り返している。AIの精度が問題かと思いきや、そういう問題でもないようだ。

 結婚相談所、パートナーエージェントの広報、平田恵さんは次のように語る。

「婚活アプリに搭載されているAIは、厳密には人工知能でないものが多いです。使われているのは、年収や趣味、行動パターンが似ている人を割り出し、マッチングさせている仕組みです」

またFRONTEOの池内さんも言う。

「昨今の人工知能ブームでは、演出としてAIという言葉を使っているようなケースも見られています。“Aを選んだ人はBを選ぶことが多いから、この人も同じだろう”と、協調フィルタリングというシンプルな仕組みだけを使っている場合もあります」

 ただし、AI搭載の有無にかかわらず、婚活アプリが長続きしないのには婚活業界が置かれている現在の状況も大きく関係しているという。

「ここ2~3年、婚活業界は今までにない盛り上がりをみせています。婚活アプリは大変な勢いで増えており、結婚相談所を利用する人も増加しています。そのため、利用者が求めるハードルも大分上がり、お客様自身が自分の納得のできるサービスを選ぶ時代になっています」(平田さん)

 需要の少ない婚活アプリや結婚相談所などの婚活サービスは、問答無用でどんどん消えていっているのだという。

 婚活サービスには、個人情報の提出が欠かせない。大手の結婚相談所ともなると、源泉徴収票や学歴証明書はもちろん、家族の勤め先も提示する必要がある。アプリはそこまでではないものの、やはり顔写真を含む、多くの個人情報を掲載しなければ利用できないものもある。企業の信頼度が、何より重視されるのだ。

自分のいいところを
見つけ出してくれる人工知能

 そんななか、パートナーエージェントは、婚活業界で唯一、正真正銘のAIを導入している。前述したFRONTEOの『KIBIT(キビット)』という人工知能エンジンを2018年6月に導入したのだ。

 導入に至った背景には、クライアントに伴走する専任の成婚コンシェルジュたちの負担を減らし、より良いマッチングを行ってもらうためだったという。

「弊社では、会員様おひとりずつに専任の成婚コンシェルジュをつけて、ご成婚まで伴走していくという形をとっております。しかし、コンシェルジュは常時100人近くの会員様を抱えており、日々接している情報量も膨大でした。その負担を軽減するため、KIBITの導入に至りました」(平田さん、以下同)

 同社が導入したKIBITは、過去に成婚したカップルのデータを学習し、データと類似性の高いカップルをリストアップするという仕組みだ。

「具体的にKIBITが判断するのは、会員様の趣味やこだわり、好きなもの、理想の夫婦像、そして専任の成婚コンシェルジュが書いた会員様の推薦コメントなどです。ぴったりのお相手を見つけると、AIがコンシェルジュに教えてくれます」

 婚活といえば、これまで年収や身長、最終学歴などが、最初に挙げられる条件だった。これらが重要な判断基準であることは変わらないが、結婚相談所や婚活アプリで使われるデータベースにおいては欠点でもあった。たとえば、身長175センチ以下はNGという条件を出すと、年収や学歴などそのほかの条件がぴったりマッチしても、身長174センチというだけではじかれてしまうことがあるからだ。

 しかし、KIBITが割り出すのは、条件ではなく“人柄”や“価値観”による相性だという。これまで成婚コンシェルジュが目で判断するしかなかったその人の長所やお相手との相性の良さを、人工知能が発見し、マッチングしてくれるのだ。2018年11月時点で、KIBITがマッチングしたカップル、10組が見事成婚している。

「10組という数字は、弊社としては『想定より多い数字』と判断しています。ただ、導入してまだ半年ということもあり、成婚コンシェルジュによって、KIBITの活用方法には偏りがあります。AIを活用してマッチングを決めるコンシェルジュもいれば、参考程度にとどめるコンシェルジュもいるので、今後、1年、2年と使っていき、さらにデータを集め、人工知能がどれだけ成婚率を上げているかということを検証していくつもりです」

今までになかった新しい
マッチングが生まれる可能性

 一方で、現場の成婚コンシェルジュ、特にベテランと呼ばれるレベルの人々にも、KIBITは良い成果をもたらしているという。

「長年コンシェルジュをしていると、自分自身に蓄積されたデータに基づいてマッチングを決める部分も少なくありません。しかし、これまで自分が合わないと思っていた組み合わせを、AIが薦めるという例もあり、コンシェルジュたちに新しい発見をさせてくれています。これは、評価すべきポイントだと思っています」

 ちなみに、パートナーエージェントでAIが導き出し、成婚した10組のうち、4人が40代の男性だった。40代男性の婚活に、AIが適している…なんてことはあるのだろうか。

「まだ母数が少ないため、40代男性の婚活にAIが適しているとは一概には言い切れません。ただ、KIBITは、その人の性格や、お人柄をもとに相性の良い人を見つけるため、年齢や条件で判断されにくいとはいえます」

 婚活がうまくいかない40代男性は、AIに頼ってみるのもひとつの手。新たな境地が開けるかもしれない。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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