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東芝の「虎の子」半導体が一転、利益下方修正の問題児と化した理由

文● 週刊ダイヤモンド編集部,千本木啓文(ダイヤモンド・オンライン

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東芝東芝は2019年度新卒採用者を前年の1400人から1000人に減らすなど組織をスリム化する
Photo by Hirobumi Senbongi

 東芝が再建計画のスタートラインでつまずいている。中国市場の景気減速の影響で、新中期経営計画の初年度となる2018年度の業績予想を営業利益で400億円、純利益で500億円引き下げたのだ。

 東芝は、今回の下方修正は子会社ののれん減損など一過性の要因によるものと強調するが、実際には、新中計の成長戦略が頓挫しかねない二つの「半導体リスク」が顕在化したといえる。

 一つ目のリスクは本業の稼ぐ力の減退だ。中国市場とデータセンター向けの半導体需要が伸びず、半導体部門だけで18年11月時点の利益予想より210億円の営業減益となる見込みだ。

 平田政善CFO(最高財務責任者)は18年度第3四半期決算の会見で「(半導体市場の軟化が)来年度以降も続く前提で事業を見直す。必要なら追加の構造改革などを今期中に終わらせる」と話した。

 東芝は5年間で7000人の人員削減を実施中だが、リストラを深掘りしてでも新中計の利益目標を実現する決意を示したわけだ。

営業外損益の悪化も懸念

 だが、東芝には、本業を合理化できても軽減できない、もう一つの半導体リスクが存在する。

 実は、昨年売却したNAND型フラッシュメモリ子会社、東芝メモリ株式の40%が東芝に残っており、その持ち分法損益の悪化が経営を直撃しているのだ。

 営業外損益として計上する東芝メモリの持ち分法損益は、フラッシュメモリの売価が前年同期比で20%下落した第3四半期で377億円(一過性要因を含む)の損失、第4四半期では125億円の損失を見込む。

 東芝メモリ売却の目的は当初、債務超過から脱却するためだったが、東芝は6000億円規模の大型増資に成功し、財務を健全化できたため、東芝メモリを手放す必要性は薄れた。

 それでも売却する理由として東芝は、フラッシュメモリの市況悪化で損失を被るリスクを低減することを挙げていた。

 しかし、売却後の持ち分比率は40%と決して低くない。この比率が適正かどうかは賛否が分かれるが、東芝がフラッシュメモリの価格暴落で損失を出すリスクを抱えていることは間違いない。

 東芝の車谷暢昭会長兼CEO(最高経営責任者)は事業のキャッシュ創出力を高め、あらゆるモノがネットにつながるIoTで稼ぐための投資を拡大する考えだが、持ち分法損益の悪化が投資計画に影響するようでは本末転倒だ。

 東芝は21年度に営業利益2400億円、営業利益率6%以上などを目指す新中計の目標について「地味かもしれないが、手が届くレベル」(平田CFO)と説明してきた。有言実行の会社へ脱皮するには、顕在化した二つのリスクへの対応策を早急に示す必要があるだろう。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 千本木啓文)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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