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インフル新薬ゾフルーザに耐性問題、塩野義製薬に迫る対抗馬

文● 週刊ダイヤモンド編集部,土本匡孝(ダイヤモンド・オンライン

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ゾフルーザ
保守点検耐性ウイルスの問題がクローズアップされたインフルエンザ治療薬「ゾフルーザ」

 暖冬で出足が鈍かったインフルエンザが、本格的な冬の到来とともに猛威を振るっている。1月21日からの1週間に報告された患者数は1医療機関当たり57.09人。1999年の調査開始以来、最多だ。

 インフル治療薬市場が活性化する中、気をもんでいるのが今シーズンから新薬「ゾフルーザ」(錠剤)で本格参戦した塩野義製薬だ。国立感染症研究所が1月下旬、「ゾフルーザを使った患者から、耐性を持つ変異ウイルスが検出された」と発表したからだ。

 耐性ウイルスとは、治療薬の効き目が低下したウイルスのこと。ゾフルーザが国に承認される前の段階から「他のインフル治療薬より耐性ウイルスの検出率が高い」とは指摘されていたが、実際に発売されてから検出が明らかになったのは初めて。各種報道は利便性や二次感染抑制効果が期待できるゾフルーザを「画期的新薬」だと礼賛する内容から、中立もしくは批判的なものに変わりつつある。

第一三共が巻き返す?

 そこでゾフルーザの“対抗馬”として存在が再認識されているのが、第一三共が2010年から販売するインフル治療薬「イナビル」だ。吸入タイプでゾフルーザと同じく投与は1回のみ。ゾフルーザ本格参戦前の17年度は、インフル治療薬で国内売り上げトップの253億円を誇った。

 18年度売上高は、本格シーズン入り前の第3四半期まで(18年4~12月)で、ゾフルーザが全インフル治療薬でトップの99億円、イナビルが45億円。各社の通期売上高予想はゾフルーザ130億円、イナビル190億円であり、第3四半期までの達成率で見ると、ゾフルーザ76%、イナビル24%。ここまではゾフルーザが市場を席巻している。

 だが国立感染症研究所の発表で潮目が変わるかもしれない。塩野義関係者は「耐性ウイルスの件は、医師は当然承知済み」とは言うものの、この問題がクローズアップされ、一部の医師や患者からの敬遠は避けられそうにないからだ。

 両社の第3四半期決算カンファレンスは発表後すぐの1月末に開かれ、第一三共幹部は苦戦するイナビルについて、「少しは挽回できるのではないか」と意気込んだ。

 当の塩野義はここまでの売り上げ好調をアピールする一方、耐性ウイルスの問題は「人から人へうつるのかどうか」だとし、「イン・ビトロ(試験管内など人工的に構成された条件下)では耐性ウイルスの増殖力が落ちている。臨床で追加検証を予定している」と幹部が説明した。ただし、検証結果は今シーズンには間に合わない見込みで、当面は逆風に耐えるしかない状況だ。

 製薬各社にとってインフル治療薬は全売り上げのごく一部とはいえ、庶民に身近な病気だけにメンツを懸けた戦いとなりそうだ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 土本匡孝)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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