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プレスリーの命も奪った?「便秘」の恐ろしさを舐めてはいけない

2019年01月05日 06時00分更新

文● 福田晃広(ダイヤモンド・オンライン

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誰もが一度は苦しんだ経験があるであろう「便秘」。特に高齢者にとって、便秘は、命に関わる病気であり、決して侮ってはいけないのだという。実は恐ろしい便秘について、横浜市立大学大学院医学研究科の中島淳教授に聞いた。(清談社 福田晃広)

便秘は高齢者がなりやすい
日本には1000万人の患者が!

たかが便秘と放置すべきではありません。
たかが便秘と放置するなかれ。あのエルビス・プレスリーは、便秘によってトイレで力み過ぎたことが原因の心臓発作で亡くなったと伝えられています Photo:PIXTA

 まず中島氏は、便秘の定義をこう説明する。

「大きく分けて2つあります。まず1つ目は排便回数の低下。だいたい1週間で3回未満の排便なら異常だと思うべきです。2つ目は、排便困難症状といわれるもの。こちらの症状で悩む患者さんが多いようですが、これは便が固いため、一気に出し切ることができず、強い残便感がある状態を指します。どちらか、もしくは両方の条件を満たすと便秘といえます」(中島氏、以下同)

 日本の便秘患者は約1000万人程度いると推定されている。一般に便秘は女性に多い症状だと思われがちだ。確かに2013年の厚生労働省国民生活基礎調査によると、便秘に悩む人は、60歳までなら男性よりも女性が多い。ただ、加齢とともに男性の有病率も増加し、80歳を超えると男女差がほぼないという統計が出ている。

 高齢になるほど、便秘になりやすいということのようだが、ではなぜ加齢につれて、便秘になりやすくなるのか。その理由を中島氏は以下のように語る。

「単純に食事量が減ることと、運動不足もありますが、根本的な問題として、年を重ねると、どうしても消化管や腸の働きが老化し、十分に機能しなくなる影響が大きいです」

 便秘が若い女性に多いといわれるのは、単なる印象だけでなく、女性ホルモンの影響で腸の動きが遅れるためだという。そして、50歳を過ぎるころには、閉経して女性ホルモンがなくなるので、男女差がなくなるというわけだ。

血圧上昇、脳出血の危険も誘発
意外に恐ろしい便秘

 中島氏によれば、便秘の有無による生存率を15年間にわたって調査したアメリカの比較研究の結果、健康な人と便秘持ちの人の間ではおよそ15%もの差があったという。

 便秘は日々の生活を快適に過ごせなくなるだけでなく、死のリスクを上げる深刻な病気だと、中島氏は警鐘を鳴らす。

「便秘の状態で、無理に力んで便を出そうとすると、特に高齢者の場合、動脈硬化が進行しているので、血圧が上がります。ましてや普段から高血圧の人は要注意。最悪のケースだと、脳出血を引き起こして亡くなってしまうこともあるので、便秘を放っておいてはいけないのです」

 ほかにも、トイレでの力みによって、くも膜下出血発症のリスクが7倍にもなるという研究報告もある。実際、高齢者は、トイレからの緊急搬送も多いという。

 余談だが、42歳の若さでこの世を去った伝説のロックスター、エルビス・プレスリーも、その死因は、便秘によってトイレで過度にいきんだことが引き金になった心臓発作であったとも報じられている。

 便秘で命を落とすことは、実際にあり得る話なのだ。

便秘の症状で苦しむなら
真っ先へ病院に行くべき

 便秘を治すためには、「食生活の見直し」、「運動不足の解消」が重要なのは言うまでもないが、中島氏は真っ先にすべきなのは病院で診察を受けることだという。

「若い人はともかく、40代、50代で便秘の人は、大腸がん、直腸がんの可能性も否定できません。また、日々の食事の改善、日々の運動をするにしても、結果が出るまで相当時間がかかるので、やはり病院に行くことが先決。便秘の初期状態であれば、飲み薬で完治しますが、病院に来るのが遅くなればなるほど、治療は困難になります」

 まずは内科か消化器科の病院に行って、ほかの病気の可能性を診断してもらい、その上で、便秘の治療薬を処方してもらうというのが、症状改善の近道だ。お通じが毎日出るようになって快適さを取り戻せた段階で、食事や運動などの生活習慣を見直せばいいという。

 日本の便秘治療は、世界に比べて遅れていたというが、ここ数年、海外で普及していた治療薬がようやく使えるようになり、徐々に進歩を見せていると、中島氏は語る。

「たかが便秘」だと甘く考えてはいけない。便秘が命に関わるということをしっかりと肝に銘じるべきなのだ。


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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