さとうなおきの「週刊アジュール」 第73回
「Connect 2018」アップデート ~アプリ開発/インフラ編~
MS主導のOSSプロジェクト「Virtual Kubelet」をCNCFに寄贈
2018年12月20日 07時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、2018年12月2日~12月8日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
2018年12月4日に、Microsoftの年次オンラインカンファレンス「Microsoft Connect 2018」が開催され、Scott Guthrieらによる基調講演が行われました。Connect 2018に合わせて、Azureに関連するアップデートも多数公開されました。「週刊アジュール」では、基調講演での発表をまとめた「Connect 2018」特別号外に続いて、Connect 2018でのAzureアップデートを、「アプリ開発/インフラ編」、「データ/AI/IoT編」の2回に分けてお伝えします。今回は「アプリ開発/インフラ編」です。
Connect 2018の情報はここをチェック
Connect 2018の基調講演やセッションは、オンデマンドで視聴可能です。
Connect 2018での発表の全体感を掴みたい方は、Storiesでのまとめ、ブログポスト、Azure更新情報をご覧ください。
- Stories
- ブログポスト「Microsoft Connect(); 2018: すべての開発者がより多くの成果を達成できるように」
- ブログポスト「MS クラウド ニュースまとめ – Azure Database for MariaDB の提供開始 他 (2018 年 12 月 4 日)」
- Azure更新情報
Azure Functions:Linux従量課金、Python、Durable FunctionsのJavaScriptサポートなど
Azure Functionsは、サーバーレスアーキテクチャのFaaS(関数サービス)です。
9月のIgnite 2018カンファレンスで、クロスプラットフォームのAzure Functionsランタイム2.0がGA(一般提供)、Linux上のAzure Functionsランタイム2.0の従量課金プランのプレビューの発表、Azure Functionsランタイム2.0上でのPython 3.6のサポートのプライベートプレビュー開始といったアップデートがありました。
今回、Linux上のAzure Functionsランタイム2.0の従量課金プラン、Python 3.6のサポートが、パブリックプレビューになりました。
Azure Functionsは、短時間に実行が完了する関数を実行します。Azure Functionsの拡張機能である「Durable Functions」では、コードを使って、長時間実行されるステートフルな関数のオーケストレーションを構築できます。これによって、複雑な関数チェーン、ファンイン/ファンアウト、ステートフルアクター、長時間コールバックといった、Azure Functionsだけでは不可能だったシナリオを実装できるようになります。
Durable Functionsについては、次の記事もご覧ください。
- 「エンタープライズ用途に耐えうるAzure Durable Functionsという選択肢」
- 「『Azure Durable Functions』でサーバーレス実装、日本野球機構が写真の選手特定AIを採用」
5月のBuild 2018カンファレンスで、Durable FunctionsのC#サポートがGAになり、JavaScriptサポートがパブリックプレビューになっていました。
今回、Durable FunctionsのJavaScriptサポートが、GAになりました。
サーバーレスコミュニティライブラリのプレビューがリリースされました。サーバーレスコミュニティライブラリは、Azure Functions、Azure Logic Appsを使う一般的なユースケース向けの、オープンソースの事前構築済みコンポーネントです。
- 更新情報「Azure Functions における Python のサポートはプレビュー段階です」
- ブログポスト「Taking a closer look at Python support for Azure Functions」
- 更新情報「Durable Function の JavaScript サポートが利用可能です」
- 更新情報「サーバーレス コミュニティ ライブラリ」
- ブログポスト「Azure Functions gets better for Python and JavaScript developers」
Azure Kubernetes Service (AKS):仮想ノード、Azure Container Service廃止など
Azure Kubernetes Service (AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
Azure Container Instancesは、クラスターの管理なしにコンテナーを実行できるサービスです。
Azure Kubernetes Service(AKS)の仮想ノードが、パブリックプレビューになりました。オープンソースのVirtual Kubeletを基にした仮想ノードを使うと、Azure Container Instances内に追加のポッドを数秒で作成できます。
Microsoftが中心になって開発を進めてきたVirtual Kubeletプロジェクトが、Cloud Native Compute Foundation(CNCF)に寄贈されました。
Azure Kubernetes Service (AKS)の前身のサービスだったAzure Container Serviceが、2020年1月末に廃止される予定であることが発表されました。Azure Container Serviceをお使いの方は、Azure Kubernetes Service(AKS)などへの移行を検討してください。
- 更新情報「Azure Kubernetes Service(AKS) 仮想ノードはプレビューの段階です」
- 更新情報「Azure Container Serviceは2020年1 月31 日に廃止予定」
- ブログポスト「Bringing serverless to Azure Kubernetes Service」
Azure Container Instances:GPUサポート
Azure Container Instancesで、GPU対応のコンテナーがサポートされるようになりました。
- 更新情報「Azure Container Instances(ACI) GPUサポートのパブリックプレビュー」
- ブログポスト「Bringing serverless to Azure Kubernetes Service」
Azure Service Fabric:Service Fabric Mesh、BOSHプロバイダー
Azure Service Fabricは、Windows Server/Linux上で動作するマイクロサービスプラットフォームであり、コンテナーオーケストレーターでもあります。
前回お伝えしたAzure Service Fabric 6.4のリリースに続いて、9月のIgniteカンファレンスで発表されていた(Azure Service Fabric 6.4ベースの)Service Fabric Meshプレビューのアップデートがリリースされました。次のようなアップデートがあります。
- ステートレスインスタンスの自動スケール
- シークレット、ネットワーク、ゲートウェイ、ボリュームといったリソースのサポート
- インラインシークレットのサポート
- 複数のイングレス、ルーティングのサポート
- Azure Files、Service Fabricのリライアブルボリュームのコンテナーへのマウント
- 更新情報「提供開始: Service Fabric Mesh Fall更新プログラム」
- ブログポスト「Service Fabric Mesh Preview Refresh Release」
- リリースノート
BOSH向けのService Fabricプロバイダーがリリースされました。これを使うと、VMWare、Azure、GCP、AWSなどにService FabricのUbuntuクラスターをデプロイすることができます。
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