やや出遅れたものの
ゲーミングスマホで一発逆転なるか?
そこで注目したいのがゲーミングスマートフォンでしょう。2017年末の「Razer Phone」登場以降、シャオミ、ASUS、Nubiaから相次いでゲーミングスマートフォンが登場しています。またファーウェイのサブブランド、Honorからもグラフィック性能を強化したGPUターボ機能搭載のモデルがゲーム対応機として出てきています。
PCも手掛けるサムスンからは、実はゲーミングPCも販売されています。ブランド名は「Odyssey」。ASUSの「ROG」、エイサーの「Predator」、デルの「Alienware」などのように、ゲームに特化したハードウェアスペックを保ちつつ、クールな印象を与えてくれる本体デザインが魅力です。PC市場全体が縮小していく中で、ゲーミングPCは成長が見込まれています。2018年12月にはレノボが日本で同社のゲーミングPC「Legion」の投入も始めました。
サムスンのスマートフォンもゲーム対応はされています。Galaxy Note9に搭載されたウォーターカーボン冷却システムにより、フォーナイトは同モデルをAndroidスマートフォンの最初の対応機種としました。すでに水冷システムはGalaxy S7から搭載されていましたが、年々高性能化するスマートフォンゲームに対応すべく、サムスンはプロセッサー周りの強化だけではなく端末から発する熱の冷却対応にも取り組んでいたのです。
Galaxy Note9の販売プロモーション時には、フォーナイトと提携しゲーミングコーナーを設ける例も海外では見られましたし、日本でもPUBGとのコラボレーション発表会が開催されました。しかし、まだまだ「Galaxy=ゲームに強い」というイメージは消費者に伝わっていません。
ゲーミングデバイスに特化したRazerがここまで成功したのは、ゲームに特化したことと、ただのハードウェアを超え「ゲーミング・ライフスタイル」という新しい文化を提唱してきたからです。RazerはPCやスマートフォン、キーボードだけではなく数多くのファッションアイテムを販売しています。
サムスンのスマートフォンは良くも悪くもスペックに頼った製品展開をしています。ならばそれを活かし、ゲームに特化したスマートフォンを出して新たなチャレンジ精神を消費者に見せる必要があるように思います。
「Galaxy S10 Gaming Edition」といった長ったらしい製品ではなく、ずばり「Galaxy Odyssey」あるいは「Odyssey」のように、新たなゲーミングスマートフォンをそろそろ市場展開する必要がサムスンにはあるでしょう。もちろんSnapdragon 855にRAM10GB、ROM1TBといったハイスペックにして価格は15万円、という破壊的な製品を投入するくらいのことをしてほしいもの。
2019年はGalaxy S、Galaxy Noteに並ぶ3つ目の柱として、ゲーミングスマートフォンの登場を期待したいものです。
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