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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第23回

とくに米国でインパクトの大きな機能だ:

Apple Watch心電図機能を試す 使い方と注意点は

2018年12月18日 09時00分更新

文● 松村太郎 @taromatsumura

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●そもそも、心電図(ECG)とは

 心電図とは、心臓の筋肉の動きを電気的な信号としてとらえ、心疾患の診療に活用する一般的な方法です。日本の内科でも心電図を取れる場所があります。

 身近でも経験があったのですが、動悸は長時間続かないことが多く、急いで救急に駆け込んだとしても、計測するときにはおさまってしまうことが少なくありません。その場合、24〜48時間心電図を継続して記録するホルタモニタを装着して計測することになります。

 米国で医療を受ける経験からすると、ホルタモニタでの検査にたどり着くまでに1ヵ月はかかってしまいます。かかりつけ医に診察してもらい、心臓の専門医を紹介してもらうところからスタートし、翌週に専門医の診察を経て検査技師の予約を取り、その翌週にようやくホルタモニタを装着、さらに翌週、その結果を受けた医師の診察……という流れです。

 Apple Watchは、特別な機器を用意せず、つねに手首に装着しているスマートウォッチで、身近に心電図を計測できるデバイスになりました。心筋梗塞など時間が左右する可能性もある心疾患の兆候を日常的に察知してデータを取れるようになることが、米国において非常に大きなインパクトを与えたのです。

 米国では年間79万人もの人が心疾患で亡くなっており、最も多い死因となっています。また心臓発作は死因の5%にのぼります。世界でも心臓疾患は31%の死因となっており、2030年までに医療コストは世界で1兆440億ドルに達すると予測されています。

 先述の通り心電図機能が利用できるのは現在米国のみですが、Appleが健康分野に参入していくにあたり、はじめに取り組むテーマとして非常に価値が大きいことがわかります。

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