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ソフトバンク、スマホ決済主導権奪取に「100億円ばらまき」の大バクチ

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発表会には「ぜひうちの店で買い物を」と訴える大手チェーンの幹部も勢ぞろい Photo by Hiroyuki Oya

 QRコード決済の主導権を奪うため、100億円をばらまき──。

 ソフトバンクとヤフーが共同出資し、QRコード決済を担うベンチャー企業ペイペイが、顧客獲得のために大勝負を懸けている。

「100億円あげちゃうキャンペーン」と題した営業施策は、12月4日以降にペイペイを利用した買い物の支払額の20%を還元するというもの(還元額の上限は月5万円)。さらに、40分の1の確率で支払額を全額還元(上限10万円)するとともに、ソフトバンクのスマートフォンユーザーならば全額還元の確率が10分の1に上がるという大盤振る舞いだ。

 100億円の原資はソフトバンクとヤフーが拠出したペイペイの資本金で、10月31日に200億円へと増強されている。

 ペイペイの中山一郎社長は、「ソフトバンクグループが本気で取り組む注目事業。大型キャンペーンでペイペイの利用を促進し、ユーザー数と利用可能店舗数でナンバーワンを目指す」と意気込む。

 QRコード決済の利便性は、利用できる場所の数にも左右される。キャンペーンに合わせ、ファミリーマート約1万7000店でもペイペイが利用可能になると発表され、コンビニ大手3社の一角を早速取り込んだ格好だ。

加盟店獲得に数千人

 大手チェーンの開拓もさることながら、ペイペイが注力するのは飲食店をはじめとする中小の加盟店の獲得。ここで躍動しているのは、ソフトバンクの営業部隊だ。

 既に全国20カ所に営業拠点を開設し、ソフトバンクからの出向者や契約社員を含めた加盟店獲得のための営業人員は、「数千人規模」(中山社長)まで膨れ上がった。

 陣頭指揮を執るのは、ソフトバンクから送り込まれたペイペイの馬場一取締役。2000年代初頭、駅前でヤフーBBのADSLモデムを無料でばらまいた“伝説の営業部隊”で活躍した人物である。

 ソフトバンク流の泥くさい営業は健在で、営業所では、「契約が取れないのに、なぜ帰ってきたんだ」と上司が部下を“詰める”怒声が飛び交っているという。

 ただ、営業部隊の声は即座にサービス改善に反映している。その一つが、10月25日から始まった中国アリババグループのQRコード決済「アリペイ」との連携である。

「アリペイユーザーも利用できれば、『インバウンド客を取れますよ』という、加盟店を口説くための武器になる」

 ペイペイ関係者によれば、こうした営業部隊からの報告を基に、ソフトバンクの宮内謙社長が乗り出してアリババ側と交渉し、アリペイとの連携をまとめたという。

 サービス開始が10月4日と、競合のLINEや楽天などと比べて後発組であるペイペイ。ソフトバンクの営業力で一大勢力に成長できるか。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 大矢博之)


※本記事はダイヤモンド・オンラインからの転載です。転載元はこちら

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