あるいは高級ブランド戦略をどう「納得」すべきか:
アップルにとってiPhone XRが大事な理由
2018年10月23日 09時00分更新
●安心してiPhone XRを選べる
iPhone XRについては、ディスプレーが有機ELパネルでないだけでなく、iPhone 8 Plusよりも大きな画面ながら解像度が低くおさえられています。またiPhone XSでサポートしている4×4MIMOによるギガビットクラスのLTEもサポートされません。カメラもデュアルではありません。Apple Watch以上に、上位モデルとの間に機能面での差は目立ちます。
ただそれ以外は、心臓部のA12 Bionicプロセッサや、大型化・高速化した新しいカメラ、TrueDepthカメラによるFace IDなど、2018年モデルのiPhone体験を実現できるポテンシャルを持っています。
アップルにとっては、iPhone XRが販売の軸になっても、最新のiPhone体験を長く届けられる上、ユーザーにとってもiPhone XSより身近な価格で安心して利用できる、そんなバランスを実現しているのです。だからこそ、iPhone XSは999ドルからという値付けを変えず、上品なゴールドカラーまで用意して、ブランド作りに専念している。そんな印象を受け取ることができます。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
この連載の記事
-
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 -
第148回
iPhone
アップルiPhoneラインナップから浮かび上がる2つのこと -
第147回
iPhone
アップル製品ラッシュふたたび? -
第146回
iPhone
アップルはiOS 15で「時間の支配権」をユーザーの手に取り戻させようとしている -
第145回
Apple
アップル新型「iMac」驚きの電源 - この連載の一覧へ