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ノーベル物理学賞は「光ピンセット」開発者ら、55年ぶりに女性も

2018年10月03日 12時26分更新

文● Charlotte Jee

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今年のノーベル物理学賞は、レーザーに関する研究で革新的成果を残した3人の科学者に授与される

約100万ドルに及ぶ賞金の半分は、「光ピンセット」を発明したアメリカのアーサー・アシュキン氏に贈られる。光ピンセットとは、レーザー光を使用し、細菌のような非常に小さな有機体を傷つけることなく扱うことができる技術だ。この画期的な技術はさまざまな場面で適用可能だが、中でも病気に感染した血液から健康な血液を分離させる技術の誕生に繋がった。

残りの賞金は、フランスのジェラール・ムル氏とカナダのドナ・ストリックランド氏の2人で分けられる。ノーベル委員会によると、「超短光パルスを高出力で生み出す独自の方法」を発明したことが授賞理由とのことだ。いわゆる「チャープパルス増幅法」は視力矯正手術に利用されており、組織を傷つけることなく高出力ビームを生み出す。将来的には、より高効率な太陽電池やより速く動作する電子機器を生み出すのに使われるかもしれない。

今回の授賞は特別な意味を持つ。オンタリオのウォータールー大学を拠点に研究をしているストリックランド氏は、ノーベル物理学賞を受賞した女性としては史上3人目で、マリア・ゲッパート・メイヤーが原子核の殻構造の研究で1963年に同賞を受賞して以来のことなのだ。

今回のノーベル物理学賞授賞は完璧なタイミングだ。欧州合同原子核研究機構(CERN)の物理学者であるアレッサンドロ・ストルミア氏が先日、「男性の方が物理学に向いている」と語ったばかりだからだ。この発言は大きく報道され、多くの議論を巻き起こした。この問題が起こったわずか数日後に、ストリックランド氏がノーベル物理学賞を受賞した。ストルミア氏は現在も活動停止処分となっている。

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