今回のことば
「HCIでは首位を狙うよりも、まずは確実に2位になることを目指す。これは100万円を貯めるには、まずは10万円からという私の性格を反映したもの」(ネットアップの岩上純一社長)
ネットアップの日本法人が1998年5月に設立してから、今年で20年目。節目となる2018年5月から、合同会社に改組した。同じく2018年5月からスタートした2019年度の事業戦略において、ネットアップの岩上純一社長は「フラッシュストレージで、年間を通じた国内シェアナンバーワン獲得を目指す」と宣言してみせた。
実はこの目標達成は、すでに射程距離にある。
2018年度第1四半期(2018年1~3月)においては、国内ストレージ出荷容量シェアでは20%、国内オールフラッシュアレイ出荷額シェアでは28%となり、いずれも国内首位となっているからだ。しかも「国内におけるストレージのシェアは、OEMを含めるとさらに拡大することになる」(ネットアップ・岩上社長)とする。
首位にこだわるのには理由がある。
「ストレージの出荷容量が首位であることは、購買力でも首位ということ。調達で優位になり、競争力の強化につながる」からだ。
成長が見込めるHCI事業も拡大
ネットアップの岩上社長は、もうひとつの目標を掲げてみせる。「2019年までに、HCIで2位を獲得する」という目標だ。
フラッシュストレージでは首位とする目標に比べると迫力にかけるが、岩上社長は「これは、100万円を貯めるにはまずは10万円からという私の性格を反映したもの」と笑う。
次のステップとして首位を掲げる姿勢であり「首位を狙うよりも、まずは確実に2位になることを目指す」と、HCI市場でも着実に歩みを進め、事業を拡大する考えだ。
ネットアップは過去3年間に渡りストレージカンパニーから、データマネジメントカンパニーへと転換を図ってきた。
組織体制も、同社の基幹事業であるストレージシステムを担当する「Storage Systems & Software」に加えて、HCIを担当する「Cloud Infrastructure」、クラウドストレージを担当する「Cloud Data Services」の3つのビジネスユニットに再編。成長領域にフォーカスした体制づくりを進めてきた。
2021年に向けて、ストレージシステムは市場全体で4%減とマイナス成長が見込まれるが、HCI市場全体では29%増という高い成長が見込まれ、クラウドストレージも13%増と2桁の市場成長が見込まれている。成長市場にフォーカスした体制が、同社の成長の原動力になっているというわけだ。
実際、データマネジメントカンパニーへの転換は、着実な成果につながっている。
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