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ファーウェイのスマホ生産工場で見た、高品質・高性能の理由

2017年08月31日 09時30分更新

文● スピーディー末岡/ASCII編集部

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 今、日本のSIMフリースマホ市場でもシェアを伸ばしており、グローバルで見ても2位のアップルに僅差で迫っているファーウェイ。中国の深センに本社を置く同社は、「HUAWEI P10」をはじめとするスマートフォンの製造ラインを、初めて日本のメディアに公開した。

深センにあるファーウェイ本社ビル

 この工場は「松山湖生産ライン」(Songshan lake production line)と呼ばれ、中国の広東省、東莞市にある。深センの本社とはクルマで40分ほど離れている。面積はおよそ1.4平方キロメートルで働いているスタッフは2万人にも及ぶ。2013年に量産が始まったばかりの新しい工場であり、ラインは18あり、月に130万台がここで組み立てられ全世界に出荷される。オペレーターは28人で、28.5秒で1台のペースで生産しているという。

これが生産ライン。奥まで100メートル以上もある

 今回はこのラインの中でもヒット作「HUAWEI P10」のラインを見学させてもらったのだが、スマホを含む一切の電子デバイスの持ち込みが禁止(ICレコーダーも!)だったため、写真はすべてファーウェイの広報から提供されたカットになる。静電気対策のため、全員が白衣と帽子、靴にもカバーをつけるという厳重な体制で工場を歩いた。従業員はもちろん全員この格好が義務づけられている。

ベルトコンベアーでさまざまなパーツが規則正しく半田付けされていく

 ラインの最初には、達成目標と達成率があり、筆者たちが見学した昼過ぎから夕方くらいにはすでに100%を超えていた。なお、1台1台にバーコードがついており、異常が起きた場合はすぐに追跡できるようになっている。

ロボットはひたすら同じ動きだが、複雑な動作もこなす。この動きを見ているだけでも飽きない

 次にチップの精度やメインボードの精度をチェックしていき、各部品をロボットがバシバシと半田付けする。ラインは人が作業するパートもあるが、ほとんどが全自動化されており、ベルトコンベアーで基板などが流れていき、ロボットが規則正しく組み立てていく。なお、ロボットは2種類あり、他社から購入しているものと、ファーウェイが独自にカスタマイズしたものが存在する。

工程のほとんどがオートメーション化されていると言っても、まだまだ人が見ないといけないところがある

 パーツを組み立てたら次にシリアルナンバーを刻印し、ソフトウェアのインストールを行ない、最後に人の手で保護フィルムを貼ったり、梱包したりする。そのほか、ディスプレーやオーディオ機能、カメラのチェックも人が目視で行なう部分もある。

 基本的に細かいパートはロボットが、大きなパーツの組み込みやテストなどは人が行なうというように、1本のラインで作業がわれている。前は人がやっていた作業がロボットに置き換わったこともあるようなので、今後はますますオートメーション化が進んでいくことだろう。

人と機械が一緒になってひとつの製品を作り上げていく。研究開発も重要だが、このラインも同じくらい重要だ


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