4KモデルはAdobeRGBのカバー率100%、第8世代Coreプロセッサー搭載
デルの4K/HDR対応15.6型ノートPCは性能も見た目もスマートに進化
2018年08月05日 10時00分更新
わずか5.7mmという極薄ベゼルの採用により、15.6型ディスプレーを搭載しながら14型相当のコンパクトなボディーを実現したデルの「New XPS 15」。上位モデルは、Adobe RGBカバー率100%という広色域の4Kディスプレー、や6コア/12スレッドの第8世代インテルCoreプロセッサーなど、現時点で考えうる最高レベルの性能を搭載しているのが特徴だ。今回、New XPS 15を試せたので、実際の使い勝手やパフォーマンスなどを2回にわたって紹介していく。
基本性能が着実に進化
New XPS 15は、アルミ削り出しの天板やボトムケース、カーボンファイバーのパームレストなどを採用した上質なデザインが特徴の1つになっている。本体サイズはおよそ幅357mm×奥行き235mm×高さ11~17mmと、15.6型ノートとしてはかなりコンパクトだ。
ラインナップはCPUやストレージ、ディスプレーなどの構成によって異なり、期間限定の特別モデルを除くと「プレミアム」「プラチナ」「プラチナ・4Kタッチパネル」「プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD」の4モデルに分かれる。おもなスペックの違いは次の通りだ。
New XPS 15の主なスペック | ||||
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モデル名 | プレミアム | プラチナ | プラチナ・4Kタッチパネル | プラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSD |
プロセッサー | Core i5-8300H(4コア8スレッド) | Core i7-8750H(6コア12スレッド、2.2GHz) | ||
グラフィックス | インテルUHDグラフィックス630 | GeForce GTX 1050Ti | ||
メモリー | 8GB | 16GB | 32GB | |
ストレージ | 1TB HDD | 256GB SSD | 512GB SSD | 1TB SSD |
ディスプレー | フルHD(タッチ非対応/非光沢/sRGB100%) | 4K-UHD(タッチ対応/光沢/AdobeRGB100%) | ||
バッテリー | 3セル、56Whr | 6セル、97Whr | ||
重量 | 1.8kg | 2kg |
今回試したのは、そのうちプラチナ・4Kタッチパネルモデル。メモリーやストレージ容量以外は最上位のプラチナハイエンド・4Kタッチパネル・1TB SSDモデルとほぼ同じ構成になっている。筐体デザインは下位モデルと共通だが、重量は構成によって異なり、下位2モデルは1.8kg、上位2モデルは2kgとなる。今回試したプラチナ・4Kタッチパネルモデルは公称で約2kgだが、実測では1984gだった。
性能面では、第8世代6コアプロセッサーのCore i7-8750Hや、単体GPUのGeForce GTX 1050 Tiを搭載し、前モデルより処理性能が大きく向上しているの。コア数が4から6に増えているため、マルチスレッド処理を行なうアプリのパフォーマンスアップはとくに期待できそうだ。
インターフェースは前モデルと同様、本体左側面に電源アダプタポート、USB 3.1(Gen1)端子、HDMI端子、Thunderbolt 3(USB3.1 Gen 2 Type-C)端子、ヘッドセット端子を、本体右側面に、SDカードスロット、USB 3.1(Gen 1)端子、セキュリティケーブルスロットを配置。また、HDMIはバージョン1.4から2.0に、Thunderbolt 3は2レーン(PCIe×2)対応から4レーン(PCIe×4)対応に変更されるなど、着実に性能はアップしている。
このほか、従来はパームレスト部に配置されていた指紋認証リーダーが電源ボタンに内蔵されるなど、見た目もよりスマートに進化した。
HDRとタッチに対応した広色域4Kディスプレーを搭載
今回試したプラチナ・4Kタッチパネルモデルは、4K(3840×2160ドット)のタッチ対応ディスプレーを搭載したモデル。IPS方式のパネルのため視野角は広く、水平垂直ともに160度となっている。
タッチパネルは一般的な静電容量方式で、指や対応スタイラスペンなどで操作できる。ワコムのBamboo Tipのように、ペン内部で静電気を増幅させるタイプの極細スタイラスペンも問題なく使用可能だったので、こうしたツールを使えばメモ書きはもちろん、スケッチやラフなどの描画にも活用可能だ。
ディスプレーの色域は、メーカーによるとAdobeRGBのカバー率が100%となっており、再現できる色の領域は非常に広い。実際にプリインストールされているカラー調整アプリ「Dell PremierColor」で「より鮮やか(フル)」を選ぶと、AdobeRGBの色域よりグリーンの領域が少し広くなり、明るい緑などの色がより鮮やかに再現される。
4K/8K放送で標準化されているRec.2020の色域は、AdobeRGBよりもさらに広大なので、今後、4K/8Kのコンテンツが増えると本機のディスプレー品質の高さが生きてくるはず。実際、動画配信サービスで4Kコンテンツを鑑賞してみたところ、エメラルドグリーンの海やあざやかな新緑などは、一般的なノートと比べるとよりリアルかつ美しく再現された。
ちなみに、4K/8K放送では高画質技術HDR(High Dynamic Range)への対応も進められており、従来より幅広い明るさを表現できる。そのため、HDRに対応した表示デバイスなら、明暗差の大きなシーンで黒く潰れがちだったシャドウや、白く飛んでしまうハイライトが、肉眼での見え方に近づき、より自然な描写になる。
プラチナ・4KタッチパネルモデルもHDRに対応しており、NetfilixやYouTubeなどのHDR対応コンテンツが楽しめる。実際にYouTubeのHDRコンテンツで確認したところ、一般的なディスプレーでは真っ黒に見えていたシャドウ部のディテールが再現されていた。
極薄ベゼルの洗練されたデザインと、高画質4Kディスプレーが魅力的なデルの15.6型ノートPC「プラチナ・4Kタッチパネルモデル。今回は、製品の特徴や使い勝手を中心に紹介したが、次回はきになるパフォーマンスをチェックしていく。